Why Japan? · 暮らし

日本のコンビニでは何ができるの?

お金をおろす、荷物を空港へ送る、公共料金を払う、住民票を取る。日本のコンビニは「小さな役所兼郵便局兼銀行」です。

A brightly lit neighborhood convenience store on a snowy winter night, with a traveler and suitcase walking toward it
AI-generated illustration

ざっくり言うと

日本のコンビニ(コンビニエンスストア)は、食べ物や日用品を買うだけの店ではありません。ATMで現金をおろす、宅配便を送る・受け取る、電気やガスの料金や税金を払う、コピーやプリントをする、コンサートのチケットを受け取る、さらにはマイナンバーカードで住民票などの証明書を取ることまでできます。

全国に5万6千店以上あり、多くが長時間営業しているため、旅行者にも住んでいる人にも「困ったときの駆け込み先」になっています。

数字で見る日本のコンビニ

日本フランチャイズチェーン協会(JFA)によると、会員の大手7社のコンビニは2025年12月末時点で56,054店。2025年の年間売上高は12兆583億円、来店客数は延べ163億4,142万人で、1回の平均の買い物額は737.9円でした。

同協会は、2025年に売上が伸びた理由の一つとして、過去最多となった訪日外国人客や大阪・関西万博の開催を挙げています。商品では、おにぎりや、レジ横の揚げ物などの「カウンター商品」、お菓子、飲み物、アイスなどがよく売れました。

日本で最初のセブン-イレブンが東京都江東区に開店したのは1974年5月15日です。そこから半世紀の間に、コンビニは少しずつ「できること」を増やしてきました。1981年に宅配便の取り次ぎ、1987年に公共料金の支払い代行、1999年には銀行ATMの設置が始まっています。

大手チェーンの多くは、大手スーパーの新しい業態として始まりました。セブン-イレブンはイトーヨーカ堂グループ、ローソンはダイエー、ファミリーマートは西友です。1974年にできた大規模小売店舗法の規制などで大型店を出しにくくなったスーパー各社が、規制にかからない小さな店を展開し始めたのがきっかけだといわれています。

お金:ATMと支払い

旅行者にとって特に便利なのがATMです。大手チェーンではATMの設置が標準になっています。たとえばセブン-イレブンにあるセブン銀行のATMは、海外で発行されたキャッシュカードやクレジットカードで日本円を引き出せます。カードを入れた後に、英語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語、フランス語、ドイツ語などから画面の言語を選べます。

海外発行カードで1回に引き出せるのは10万円まで(磁気ストライプの取引は3万円まで)です。引き出すときに、請求を日本円にするか自分の国の通貨にするかを選ぶ画面が出ることがあります。交通系ICカードの「Welcome Suica」へのチャージもできます。

日本に住んでいる人には、公共料金の支払いが欠かせません。セブン-イレブンでは、届いた払込票(バーコード付きの支払い用紙)を持っていけば、電気・ガス・水道・電話料金、NHKの受信料、国民年金保険料、各種の税金などをレジで払えます。ただし払込票の支払いは現金か同社の電子マネー「nanaco」だけで、クレジットカードや交通系ICカードは使えません。

荷物・コピー・チケット

コンビニは宅配便の窓口にもなります。セブン-イレブンではヤマト運輸の宅急便を扱っていて、縦・横・高さの合計が160cm以内、重さ25kgまでの荷物を送れます。「空港宅急便」を使えば、スーツケースを空港へ先に送ることもできます。ただし冷蔵・冷凍の「クール宅急便」は扱っていません。コンビニの荷物は1日に1~2回ほど集荷されるため、急ぎの荷物や日時指定を厳守したい荷物は、宅配会社の営業所に直接持ち込む方が確実です。

店内のマルチコピー機では、コピーのほか、写真や文書のプリント、スキャン、ファクスができます。セブン-イレブンの場合、A4の白黒コピーは1枚10円、カラーは1枚50円です。コンサートやイベントのチケットの購入や発券、ネットで買ったものの店頭受け取りもできます。

一部の店舗では、コインランドリー、宅配ロッカー、シェアサイクル、モバイルバッテリーのレンタル、荷物の一時預かりなどのサービスも行われています。

役所の手続きまでできる

日本に住んでいる人にとって驚くほど便利なのが「コンビニ交付」です。マイナンバーカード(日本の個人番号カード)を使って、マルチコピー機で住民票の写しや印鑑登録証明書などを受け取れる仕組みで、2010年にセブン-イレブンで始まりました。地方公共団体情報システム機構(J-LIS)によると、2025年3月末時点で全国約56,000店舗で利用できます。

ただし、どの証明書が取れるかは住んでいる市区町村によって違います。役所の窓口が閉まっている時間でも証明書が取れるのは大きな利点ですが、事前に自分の自治体が対応しているか確認しておきましょう。

「まちの安全拠点」としての顔

コンビニには、あまり知られていないもう一つの役割があります。2000年に警察庁から「まちの安全・安心の拠点」になってほしいと要請を受け、業界は2005年から「セーフティステーション(SS)活動」を全国で行っています。現在は約57,000店舗が参加しています。

この活動では、ストーカーや暴力などの危険にあった女性や子どもが駆け込んできたら店内で保護し、必要に応じて警察に連絡します。事件や事故、急病人があれば110番や119番に通報し、災害時には自治体との協定に基づいてできる限り営業を続け、帰宅できなくなった人にトイレや水道水、情報を提供することにもなっています。

トイレについては、1990年代後半までは従業員専用という店が多かったものの、1997年にローソンが一般客に開放してから他のチェーンにも広がりました。ただし最近は、防犯や使われ方の問題から、深夜などにトイレを閉める店も増えています。

旅行者が知っておきたい小さなルール

店内の「イートイン」コーナーで買ったものを食べる場合、持ち帰りに適用される軽減税率ではなく、10%の消費税がかかるため、会計のときに店内で食べると伝える必要があります。お酒やたばこを買うときは年齢確認があり、20歳未満には販売されません。イートインは買った弁当や飲み物を座って食べるための場所なので、勉強や昼寝、極端な長居は断られることがあります。深夜は閉めている店や、イートイン自体をなくした店もあります。

かつてはほとんどのコンビニが24時間営業でしたが、今は方針が変わり、2024年時点で約1割の店舗が営業時間を短くしています。「コンビニならいつでも開いている」とは限らない点にも注意しましょう。

ヒント

  • 現金が必要になったら、セブン-イレブンなどのATMを探しましょう。海外発行カードでも使え、画面を英語などに切り替えられます。
  • ATMで「日本円で請求」か「自国通貨で請求」かを選ぶ画面が出たら、どちらが得か自分のカード会社のレートと比べて選びましょう。
  • 大きな荷物は「空港宅急便」で先に空港へ送ると、移動がぐっと楽になります(日数に余裕をもって)。
  • 店内で食べるならレジで伝えましょう。消費税率が変わります。
  • 日本に住んでいる人は、公共料金の払込票をコンビニで払えます。ただし現金払いが基本と考えておきましょう。
  • トイレを使えるコンビニは多いものの、深夜などに閉めている店や、そもそも客用トイレがない店もあります。

出典

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