錦市場
Nishiki Market
「京の台所」と呼ばれる、京都の中心にある約390mの細長い市場。400年の歴史の中で、京野菜や漬物、湯葉など京都の食文化を支えてきた店が並びます。
400年続く「京の台所」
錦市場(にしきいちば)は、京都市の繁華街・四条通の一本北、錦小路通(にしきこうじどおり)に沿って続く商店街です。東西約390m、道幅3.3〜5mほどの細い通りの両側に、魚、漬物、豆腐、乾物、菓子、調理道具などの店が並びます。赤・黄・緑のアーケード(屋根付きの通り)があるので、雨の日でも歩けます。
記録ははっきりしませんが、平安時代にはすでにこのあたりに市が立っていたと考えられています。本格的な魚市場として始まったのは1615年、江戸幕府が京都で公認した3つの魚問屋(うおどんや:魚の卸売り)の一つになったときです。発展を支えたのは、一年中15〜18℃ほどに保たれる質の良い地下水でした。「錦の水」と呼ばれるこの水は、冷蔵庫のない時代、店ごとにあった井戸で魚などを冷やすのに使われていました。
京料理の料亭だけでなく、「おばんざい」と呼ばれる京都の家庭料理に使う旬の食材も集まるため、「京の台所」と呼ばれています。年末には、前に進めないほど買い物客でにぎわうのが京都の冬の風物詩です。
何を見て、何を味わうか
並んでいる食材は、京野菜、琵琶湖の川魚、鱧(はも:夏の京都を代表する魚)、湯葉(ゆば:豆乳を温めてできる膜)、生麩(なまふ:小麦のたんぱく質で作るもちもちした食材)、京漬物など。京都ならではの食材が多く、店の人に食べ方を聞くのも楽しみの一つです。
その場で調理してくれる店や、すぐに食べられる品を売る店もたくさんあります。串焼きや串揚げ、鱧の天ぷらなどを、買った店の前や店内で味わえます。市場内で買ったものを持ち込んで食べられる店もあります。その場合は、飲み物か食べ物を1品注文するなど、店ごとのルールに従いましょう。
食べ物のほか、道具や雑貨の店もあり、京都らしいおみやげを探すこともできます。
天才絵師・伊藤若冲の生まれた場所
江戸時代の画家・伊藤若冲(いとうじゃくちゅう、1716〜1800年)は、錦市場の青物問屋(野菜の卸売り)の家に生まれました。色鮮やかで細かな描写の作品で知られ、近年は海外でも人気があります。
若冲は絵を描くだけでなく、町の世話役として、営業停止の危機にあった市場の存続のために奔走したことが記録に残っています。市場の西の入口付近には生家跡を示す記念碑があり、店のシャッターなど市場のあちこちで若冲の絵を見ることができます。
行き方
地下鉄烏丸線の四条駅、阪急京都線の烏丸駅からそれぞれ歩いて約3分、阪急の京都河原町駅から約4分です。京都駅からは市バス5系統で「四条高倉」まで行き、そこから歩いて約2分です。
店ごとに営業時間や定休日が違うので、目当ての店がある場合は事前に確認してください。
ヒント
- 市場の中で食べながら歩くのはやめましょう。通りが狭く混み合うため、ほかの人の服を汚すなどのトラブルになるとして、商店街が控えるようにお願いしています。買った店の前や店内で食べるのがルールです。
- 年末は、正月の食材を買う地元の人で身動きが取れないほど混みます。ゆっくり見たいなら、この時期は避けると歩きやすくなります。
- 車で行く場合は、商店街が案内している提携駐車場で買い物をすると割引があります。ただし大型バスの駐車場は周辺にありません。
出典
更新日 2026年9月29日. 営業時間や料金は変わるため、出かける前に公式サイトで確認してください。