祭り · 3月

東大寺二月堂 修二会(お水取り)

752年から一度も途絶えずに続く奈良・東大寺の祈りの行。夜ごと二月堂の舞台で大きな松明が火の粉を散らす光景を、見物ではなく参拝として味わう方法をまとめました。

A burning torch swept along the balcony of Nigatsu-do hall at night, showering sparks during Shuni-e
Photo: ignis (新しいタブで開きます), CC BY-SA 3.0 (新しいタブで開きます), via Wikimedia Commons
開催地

奈良県

  • 奈良県奈良市の東大寺二月堂(奈良公園内)

最近の開催

年日程来場者数備考
20263月1日〜14日—1275回目。東大寺は、お松明の撮影時にフラッシュやライトを切るよう呼びかけました。
20253月1日〜14日—1274回目。
20243月1日〜14日—1273回目。東大寺が3月1日〜15日の行をライブ配信しました。
20233月1日〜14日—1272回目。参拝方法は新型コロナウイルスの感染状況を踏まえて決められ、ニコニコ動画でライブ配信が行われました。

どんな行事? いつ、どこで?

修二会(しゅにえ)は、奈良市の東大寺(大仏で知られる寺)の境内にある二月堂で、毎年3月1日から14日までの2週間行われる仏教の法会(ほうえ、儀式)です。「お水取り」「お松明(おたいまつ)」の呼び名でも知られています。

正式な名前は「十一面悔過(じゅういちめんけか)法要」。二月堂の本尊である十一面観音の前で、人々が日々犯している過ちを懺悔(ざんげ、告白して許しを請うこと)し、世の中の平和や五穀豊穣、人々の幸せを祈る行事です。

行を務めるのは「練行衆(れんぎょうしゅう)」と呼ばれる11人の僧侶です。毎年12月16日に翌年の練行衆が発表され、2月20日からは「別火(べっか)」と呼ばれる準備の期間に入り、3月1日からの本番に備えます。

1270年以上、一度も途絶えなかった行

東大寺によると、修二会は752年に、東大寺を開いた良弁(ろうべん)僧正の弟子・実忠(じっちゅう)が始めました。2026年で1275回目を数えます。

東大寺は歴史の中で二度、大きな建物の多くを失いましたが、修二会だけは一度も途絶えることなく続いてきたため、「不退の行法」と呼ばれています。1667年には修二会の最中に二月堂が火事で焼けましたが、そのときも行は続けられ、二月堂はその2年後に再建されました。

もとは旧暦の2月1日から行われていたため、「二月に修する法会」として修二会と呼ばれるようになり、二月堂の名前もここから来ています。

夜を照らす「お松明」

お松明は、練行衆が二月堂に上がるときの道明かりとして灯されるものです。本来は道を照らす明かりですが、二月堂の「舞台」と呼ばれる外側の欄干で火の付いた松明が振られ、火の粉が降り注ぐ光景が多くの人を引きつけています。

お松明は期間中毎日あります。東大寺の案内では、3月1日〜11日と13日は午後7時から10本で約20分、3月12日は午後7時30分から、特に大きな「籠松明(かごたいまつ)」11本で約45分、最終日の14日は午後6時30分から10本が短い間隔で次々に上がり、約10分で欄干に横一列に並びます。

12日の籠松明は、長さ6メートルほどの根の付いた竹の先に、杉の葉や薄い杉板を籠の目のように編み付けた、直径1メートルほどの大きなものです。松明は、修二会を裏で支える「童子(どうじ)」と呼ばれる人たちが作っています。

「お水取り」と、二月堂の中の行

3月12日の深夜(13日の午前1時30分ごろ)には、二月堂の下にある「若狭井(わかさい)」という井戸から、観音さまに供える「お香水(おこうずい)」を汲み上げる儀式が行われます。これが「お水取り」です。

伝説では、全国の神々が集まったときに遅れた若狭国(いまの福井県)の遠敷明神(おにゅうみょうじん)が、お詫びとして観音さまに水を献じたとされます。この縁で、福井県小浜市では3月2日に、奈良へ水を送る「お水送り」という行事が行われています。

堂の中では、1日を6つの時間に分けて祈る「六時の行法」が毎日続き、12日から14日には、燃える松明を持って須弥壇(本尊を安置する壇)の周りを回る「達陀(だったん)」という行も行われます。また3月5日と12日の夜に読み上げられる「過去帳」では、鎌倉時代に現れたという「青衣の女人(しょうえのにょにん)」の名前を、今も小さな声で読む習わしがあります。

参拝するときの注意

東大寺は、修二会は「イベントではなく仏教行事」だと繰り返し呼びかけています。お松明だけを目当てにするのではなく、行事の意味を知ってからお参りしてほしいとして、毎年2月中旬〜3月中旬に奈良国立博物館で開かれる特別陳列「お水取り」なども勧めています。

お松明を見られる二月堂下の広場に入れるのは約3千人です。ニュースで知られる3月12日だけを狙う人が多く、この日は入場規制が行われ、時間によってはお松明を見られなかったり、混雑の中を移動しながらごく短い時間しか見られなかったりします。12日以外の日も、土日は特に混み合います。12日以外であれば、二月堂の「局(つぼね)」と呼ばれる場所で、堂内の行の声を聞くこともできます。

二月堂の周辺では、三脚・一脚・脚立・ストロボの使用が禁止されています。2026年には、お松明を撮影するときにカメラやスマートフォンのフラッシュとライトを切るよう呼びかけられました。境内に参拝者用の駐車場はなく、期間中はタクシーの乗り入れも規制されます。

ヒント

  • お松明は3月1日から14日まで毎日あります。混雑を避けたいなら、3月12日と土日以外の平日がおすすめです。
  • 時刻の目安(東大寺の案内)は、通常日が午後7時、12日が午後7時30分、14日が午後6時30分です。最新の案内を確認してから出かけましょう。
  • 撮影するときはフラッシュとライトをオフに。三脚・一脚・脚立は二月堂周辺では使えません。
  • 境内に駐車場はありません。JR奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バスを使うか、近鉄奈良駅から歩いて向かいましょう。
  • 行事の意味を知るなら、同じ時期に奈良国立博物館で開かれる特別陳列「お水取り」も合わせて訪ねてみてください。

出典

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