祭り · 4月

春の高山祭(山王祭)

金の飾りと精巧な彫刻をまとった12台の屋台が、飛騨高山の古い町並みに並ぶ2日間。からくり人形の早変わりと、提灯がゆれる夜祭りの見方をまとめました。

Four ornate festival floats lined up in front of a crowd at the Takayama Spring Festival
Photo: Chme82 (新しいタブで開きます), CC BY-SA 4.0 (新しいタブで開きます), via Wikimedia Commons
開催地

岐阜県

  • 岐阜県高山市の旧城下町南側(上町)、日枝神社と陣屋前交差点周辺

最近の開催

年日程来場者数備考
20264月14日〜15日—15日は屋台の曳き揃えと御巡幸が中止になり、屋台は各屋台蔵で公開。からくり奉納も陣屋前ではなく屋台蔵で行われました。
20254月14日〜15日—雨のため14日の夜祭りと、15日の屋台曳き揃え・御巡幸が中止。からくり奉納は屋台蔵での観覧になりました。
20224月14日〜15日—新型コロナウイルスの影響後、3年ぶりに従来どおりの形で開催を決定。初日は雨で屋台の曳き揃えと御巡幸が中止になり、屋台は屋台蔵で公開されました。
20214月14日〜15日約9千人(14日、朝日新聞の報道)感染対策のため規模を大幅に縮小。曳き揃え・からくり奉納・夜祭りは中止し、屋台は屋台蔵で公開されました。前年の2020年は神事のみでした。

どんな祭り? いつ、どこで?

春の高山祭は、岐阜県高山市で毎年4月14日と15日に開かれる祭りです。旧高山城下町の南半分の氏神(地域の守り神)である日枝神社(ひえじんじゃ)の例祭で、正式には「山王祭(さんのうまつり)」といいます。秋の10月9日・10日に桜山八幡宮で開かれる「八幡祭」と合わせて「高山祭」と呼ばれます。

最大の見どころは「屋台(やたい)」と呼ばれる豪華な山車(だし、祭りで曳く飾り車)です。春の祭りには12台が登場し、祭りの舞台になるのは市街地を流れる安川通りより南側の「上町(かみまち)」です。日程は曜日に関係なく固定で、雨で行事が中止になっても別の日に延期されることはありません。

江戸時代から続く、屋台と匠の技

1692年に書かれた手紙に「40年ほど前から3年に一度、山王祭があった」という内容が残っていることから、祭りは1652年ごろにはすでに行われていたと考えられています。屋台が祭りに加わったのは、1718年ごろからといわれます。

屋台の彫刻は、1837年に信州諏訪の名工・立川和四郎の作品が屋台「五台山」に取り付けられたのをきっかけに、高山の名工たちが腕を競うようになって発展しました。なかでも麒麟台の「唐子群遊(からこぐんゆう)」は、谷口与鹿(たにぐちよろく)が24歳のときに1枚のケヤキ板から彫り出した作品で、ケヤキの年輪を子どもの膝や頬の丸みに生かしています。

春と秋の屋台あわせて23台は1960年に国の重要有形民俗文化財に、「高山祭の屋台行事」は1979年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。2016年には、全国の祭りとともに「山・鉾・屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録されています。

2日間の主な行事

「屋台曳き揃え(ひきそろえ)」では、12台の屋台が町なかに並び、間近で見ることができます。神楽台・三番叟・石橋台・龍神台の4台は、高山陣屋(江戸時代の役所)の前の交差点に並びます。

「からくり奉納」は、陣屋前交差点で三番叟・石橋台・龍神台の3台が、からくり人形の演技を神様に奉納するものです。2日とも1日2回行われます。三番叟では童子の人形が面箱に顔を伏せ、顔を上げると翁の面に変わる早変わり、石橋台では舞う美女が荒々しい獅子に変身し、また美女に戻ります。石橋台のからくりは1892年に風紀上よくないとして禁止されましたが、1984年に復活しました。龍神台では、唐子の抱える小さな壺から龍神が現れます。

「御巡幸(ごじゅんこう)」は、神輿を中心に、獅子舞や雅楽、鉦と太鼓を打ち鳴らす「闘鶏楽(とうけいらく)」、裃(かみしも、江戸時代の武士の礼装)姿の警固など、数百人が町を練り歩く行列です。闘鶏楽は、その音から地元では「カンカコカン」と呼ばれています。

提灯がゆれる「夜祭り」

14日の夜には「夜祭り」があります。それぞれ約100個の提灯を灯した屋台が町をゆっくりと進み、最後は「高い山」という曳き別れの歌を歌いながら、それぞれの屋台蔵へ帰っていきます。

屋台は長い列になって進むため、観客は散らばって見ることができます。開始・終了地点の近くは混み合うので、屋台が通るルート沿いで見るのがおすすめです。祭りの区域では、各家が軒先に提灯を飾ります。屋台組ごとにデザインが異なり、20数種類あるので、町歩きで探してみるのも楽しみの一つです。

混雑と天気への備え

祭りの時期の高山は大変な人出になり、観覧席はありません。からくり奉納が行われる陣屋前交差点は特に混み合い、身動きが取れなくなることがあります。体力に不安がある人や車いす・ベビーカーの人には、YouTubeのライブ配信や、中橋観光案内所のモニターでの観覧が勧められています。

屋台は貴重な文化財なので、雨が降ったり降りそうだったりすると、曳き揃えは中止になり、屋台は各町の屋台蔵で公開されます。からくり奉納も回数を減らしたり、屋台蔵の中で行われたりします。変更は当日に決まり、公式の観光サイトやSNS、当日開設される案内本部で知らせられます。

晴れると日中はかなり暖かくなることがありますが、山に囲まれた町なので夕方5時ごろから気温が下がり、夜祭りの時間は肌寒く感じます。羽織るものを持っていきましょう。夜祭りでは屋台に絶対に触れず、車道に出ないようにしてください。御巡幸の行列を横切ったり、後をついて歩いたりするのも控えましょう。ドローンでの撮影は禁止されています。

ヒント

  • 宿は早めに。市街地の宿泊施設は半年以上前から満室になるので、郊外や近隣の町も検討しましょう。
  • 雨の日でも屋台蔵の扉が開いて屋台を見られることが多いです。中止の知らせが出ても、町を歩いてみましょう。
  • からくり奉納は混雑がひどいので、確実に見たいなら早めに場所を確保するか、ライブ配信を利用しましょう。
  • 当日は交通規制があり、自転車やキックボードでは進めないほど混み合います。歩いて回りましょう。
  • 食事どころも混雑します。時間をずらして入店するのがおすすめです。

出典

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