日本の食べもの · ごはんもの

ひつまぶし

1杯目はそのまま、2杯目は薬味で、3杯目はだしをかけて。うなぎのご飯を3通りの味で楽しむ、名古屋のぜいたくな名物料理です。

Hitsumabushi set in Nagoya: chopped grilled eel on rice in a wooden tub with a serving paddle, bowls and condiments
Photo: Tomotaka from Nagoya (新しいタブで開きます), CC BY 2.0 (新しいタブで開きます), via Wikimedia Commons
ゆかりの地域

愛知県の郷土料理

主にこの地域で食べられていて、ほかの地域ではあまり見かけません。

  • 愛知県名古屋市の名物「なごやめし」の一つ。熱田区などに発祥を名乗る老舗がある

ひつまぶしとはどんな料理?

ひつまぶしは、うなぎの蒲焼き(甘辛いたれをつけて焼いたうなぎ)を細かく刻み、お櫃(おひつ:ご飯を入れる木の器)のご飯の上にのせた料理です。愛知県名古屋市の名物で、みそかつや手羽先などと並ぶ「なごやめし」(名古屋とその周辺で親しまれてきた独特の料理)の一つとされています。

名前は、お櫃(ひつ)のご飯にうなぎを「まぶす」(混ぜ合わせる)ことから付いたと説明されることが多いですが、ほかの説もあります。お櫃のご飯は、客が自分で茶碗によそって食べます。

1つで3つの味:食べ方の基本

ひつまぶしの最大の特徴は、食べ方が段階的に変わることです。名古屋市の観光サイトなどが紹介する基本の食べ方は次のとおりです。1杯目はそのまま、うなぎとご飯の味を楽しみます。2杯目は、ネギ、わさび、刻みのりなどの薬味をのせて食べます。3杯目は、薬味をのせてだし(またはお茶)をかけ、お茶漬けのようにさらさらと食べます。

発祥店の一つとされる店では、お櫃のご飯をしゃもじで十字に4等分し、最後の4分の1は3つの中でいちばん気に入った食べ方で食べることを勧めています。食べ方に決まりはないので、店のメニューや説明書きを参考にしながら、自由に楽しんでかまいません。

誰が始めた?はっきりしない起源

ひつまぶしの始まりには複数の説があり、はっきりとはわかっていません。名古屋市熱田区で明治6年(1873年)に創業した「あつた蓬莱軒(ほうらいけん)」は、明治時代の末ごろ、大きなお櫃に入れたうなぎのご飯を、座敷で仲居さんが取り分けて出していたのが始まりだとしています。一方、名古屋市中心部の別の老舗は大正時代の始まりだとしており、三重県津市にも古くから似た食べ方があったという話があります。

なお「ひつまぶし」という言葉はあつた蓬莱軒の登録商標ですが、今では多くのうなぎ料理店が料理名として使っています。

愛知のうなぎと、こってりしたたれ

愛知県はうなぎの養殖がさかんで、うま味インフォメーションセンターによると、生産量は鹿児島県に次いで全国2位、特に三河地方の一色(いっしき)産がよく知られています。ひつまぶしのうなぎは、蒸さずにそのまま焼き上げる方法で作られると紹介されています。

名古屋市の観光サイトによると、愛知ではたまり(色の濃い醤油の一種)をベースにしたこってりしたたれを使うため、だしをかけてお茶漬けにしても蒲焼きの味がしっかり残ります。

どこで、どう食べる?

本場で食べるなら名古屋市です。名古屋の観光案内では、名古屋に来たら一度は味わってほしい「ぜいたくななごやめし」として紹介されています。名古屋駅の周辺や、老舗のある熱田区などで食べられます。

食事制限のある方へ:ひつまぶしはうなぎ(魚)が主役で、たれには醤油などの調味料が使われます。3杯目にかけるだしは、昆布やかつお節(魚)でとるのが一般的です。食材を避けたい場合は、店で確認してください。

ヒント

  • まずは何もかけずに1杯目を。薬味やだしを加えるのは2杯目と3杯目にとっておくと、味の変化がよくわかります。
  • お櫃のご飯をしゃもじで4等分しておくと、最後まで食べる量の配分がしやすくなります。
  • 最後の4分の1は、気に入った食べ方をもう一度楽しむのがおすすめです。
  • 食べ方の説明書きを置いている店も多いので、迷ったら読んでみましょう。
  • うなぎと魚のだしを使う料理です。魚を避けたい方には向きません。

出典

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