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カレーライス

インドで生まれ、イギリスを経由して明治の日本へ。とろみのあるルウをご飯にかける日本のカレーは、海軍や学校給食を通じて「国民食」になりました。

Home-style Japanese curry rice with beef, potato and carrot next to white rice in a blue-striped bowl
Photo: Ocdp (新しいタブで開きます), CC0 (新しいタブで開きます), via Wikimedia Commons
ゆかりの地域

全国で食べられている料理

本場として知られるのは 神奈川県・大阪府。

  • 神奈川県横須賀市が「カレーの街」を宣言。海軍のレシピを再現した「よこすか海軍カレー」はサラダと牛乳付きで出すのが決まり
  • 大阪府老舗の甘辛カレーと、小麦粉を使わない新しいスパイスカレーの2系統が楽しめる

日本のカレーライスとはどんな料理?

カレーライスは、肉と野菜をスパイスの効いたソースで煮込み、ご飯にかけて食べる料理です。日本のカレーの特徴は、小麦粉と油でとろみをつけた濃いソース(ルウ)にあります。具はじゃがいも、にんじん、たまねぎが定番で、これらは日本でよく育ち手に入りやすい野菜だから、と全日本カレー工業協同組合は説明しています。

スパイスを使った料理はインドが起源ですが、日本に直接伝わったわけではありません。18世紀ごろにイギリスがインドの料理を持ち帰り、あらかじめスパイスを調合した「カレー粉」が生まれ、それが明治時代の初めに日本へ入ってきました。今では家庭、食堂、学校給食のどこにでもある料理で、業界団体の統計から計算すると、日本人は1人あたり年間79食ほどカレーを食べているそうです(2016年度の統計による)。

高級な洋食から「国民食」へ:カレーの歴史

全日本カレー工業協同組合の年表によると、日本人とカレーの最初の記録は1863年、ヨーロッパへ向かう使節団の一員が船の中でカレーを見たというものです。1870年ごろにはイギリスのカレー粉が日本に入り、カレーは「西洋料理」の一つとして、文明開化(明治の西洋化)を象徴する味になりました。ただし当時は西洋料理店で出される高級料理で、食べられる人は限られていました。

明治の終わりごろ、大衆食堂のメニューにライスカレーやカレーうどん、カレーそばが登場して、カレーは身近な料理になっていきます。広まったきっかけとしてよく挙げられるのが軍隊の食事です。栄養があり、大人数分を一度に作りやすいことから採用され、兵役を終えた若者が故郷に作り方を持ち帰ったといわれています。

その一つとされるのが日本海軍のカレーです。農林水産省の解説によると、白米中心の食事でビタミン不足による脚気(かっけ)に悩んでいた海軍は、イギリス海軍のカレー風味のシチューを参考に、ご飯に合うようとろみをつけたカレーを取り入れたという説があります。戦後は1948年に学校給食に取り入れられ、湯に溶かすだけのカレールウや、1968年に誕生したレトルトカレー(温めるだけで食べられるパック入りのカレー)が家庭への広がりを後押ししました。

横須賀の海軍カレーと、大阪の2つのカレー

神奈川県横須賀市は、海軍とゆかりの深い街です。1999年に「カレーの街宣言」を行い、海軍のレシピを現代に再現した「よこすか海軍カレー」で街おこしを続けています。牛脂で小麦粉を炒めてカレー粉とスープでのばす昔ながらの作り方で、チャツネ(果物などで作る甘酸っぱい薬味)を添えます。認定された店では、栄養バランスを考えた海軍の献立にならい、サラダと牛乳をセットにして出すことが決まりになっています。

大阪観光局によると、大阪のカレーは大きく2つに分けられます。1つは、1910年に創業した店などに代表される老舗の「甘辛カレー」で、最初はフルーティーな甘さ、あとからじわじわと辛さが来るのが特徴です。もう1つは近年人気の「スパイスカレー」で、小麦粉を使わないさらりとしたソースにスパイスの香りが際立ちます。

北海道の札幌農学校では、1876年にクラーク博士が日本の食事では栄養が足りないとして「ライスカレー」を献立に勧め、「ライスカレー」という言葉がここから始まったと言われています(全日本カレー工業協同組合による。諸説あるとしています)。

カツカレー、カレーうどん、カレーパン:日本生まれの仲間たち

日本ではカレーがご飯以外にも広がりました。同組合の年表では、カレーうどんが1904年、カレー南蛮(カレー味のそば・うどん)が1908年、とんかつをのせたカツカレーが1918年、カレーを生地で包んで揚げたカレーパンが1927年に生まれたとされています。

カツカレーは大学の学生食堂の定番として親しまれてきました。日本式のカツカレーは今ではカレーのふるさとであるイギリスでも人気になっている、と業界団体の担当者は紹介しています。

どこで、どう食べる?

カレーライスは日本中どこでも食べられます。専門店のほか、大衆食堂やそば屋、学校給食や学生食堂でもおなじみのメニューです。付け合わせには、福神漬(ふくじんづけ:野菜を甘い醤油味で漬けた赤や茶色の漬物)や、らっきょう漬け(小さな玉ねぎに似た野菜の甘酢漬け)がよく添えられます。

店のメニューやレトルトの箱には「甘口」「中辛」「辛口」といった辛さの表示がありますが、これは各メーカーや店が決めているもので、国内で統一された基準はありません。同じ「辛口」でも店によって辛さが違うことを覚えておきましょう。

食事制限のある方へ:日本のカレーは、とろみをつけるために小麦粉と油脂を使うのが一般的です(横須賀の海軍カレーでは牛脂を使います)。肉が入っていないように見えても、小麦や動物性の脂を避けたい方は注文前に確認してください。

ヒント

  • 辛さの表示は店ごとに基準が違います。辛いものが苦手なら「甘口」、迷ったら「中辛」から試してみましょう。
  • テーブルに福神漬やらっきょうが置いてある店では、自由に取って添えて構いません。
  • 横須賀で海軍カレーを食べるなら、サラダと牛乳が付いてくるのが決まりです。海軍の献立の名残を味わってみてください。
  • 大阪では、老舗の甘辛カレーと新しいスパイスカレーの食べ比べがおすすめです。
  • 小麦や動物性の脂を避けたい場合は、ルウの材料を店で確認してください。

出典

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