仙巌園
Sengan-en
雄大な桜島を庭の「築山」に、錦江湾を「池」に見立てた、薩摩藩主・島津家の別邸の庭園。日本の近代化が始まった場所として、世界遺産の一部にもなっています。
島津家の別邸
仙巌園(せんがんえん)は、鹿児島市にある島津家の別邸(べってい:本宅とは別に建てた屋敷)とその庭園です。島津家は江戸時代、薩摩藩(今の鹿児島県などを治めた藩)を治めた大名の家で、1658年に19代当主の島津光久(しまづみつひさ)がこの庭をつくりました。広さは約1万5千坪(約5万平方メートル)あり、国の名勝に指定されています。
幕末の28代当主・島津斉彬(なりあきら)もこの庭を大切にし、篤姫(あつひめ)をはじめ、国内外から多くの客を迎えました。明治時代には、島津家の本邸として使われた御殿も残っています。
桜島を借りる庭
この庭の最大の特徴は「借景(しゃっけい)」です。借景とは、庭の外にある山や海などの景色を、庭の一部として取り込む日本庭園の手法のこと。仙巌園では、目の前の桜島を築山(つきやま:庭の中につくる小さな山)に、錦江湾(きんこうわん)を池に見立てています。
園内には、ガス灯の実験に使われたという「鶴灯籠(つるとうろう)」や、全国でも珍しい猫をまつった神社「猫神」など、見どころが点在しています。
日本の近代化はここから
島津斉彬は、仙巌園の隣で「集成館事業(しゅうせいかんじぎょう)」と呼ばれる近代化の取り組みを始めました。ここには日本で最初期の近代的な工場群がつくられ、ガス灯や地雷などの試作・研究も行われました。
園内に残る「反射炉跡(はんしゃろあと)」は、オランダの技術書をもとに築かれた、大砲をつくるための炉の土台です。この反射炉跡と隣の博物館「尚古集成館(しょうこしゅうせいかん)」を含む一帯は、2015年に世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の一部として登録されました。
行き方
2025年3月、JR日豊本線に「仙巌園駅」が開業し、電車で直接行けるようになりました。鹿児島中央駅からは、市内の観光地をめぐる周遊バス「カゴシマシティビュー」で「仙巌園前」バス停まで行くこともできます。車なら鹿児島中央駅から約20分です。
営業時間や入園料は変わることがあるので、公式サイトで確認してください。
ヒント
- 桜島がくっきり見えるかどうかは天気次第です。晴れた日を選ぶと、借景の庭らしさがよくわかります。
- 尚古集成館もあわせて見ると、島津家と日本の近代化の歴史がより立体的にわかります。
- 毎年3月の第1日曜日は、鹿児島マラソンの開催日のため休園です。
出典
更新日 2026年9月28日. 営業時間や料金は変わるため、出かける前に公式サイトで確認してください。