多賀大社
Taga Taisha Shrine
日本の国土と神々を生んだ夫婦神をまつる、滋賀県でいちばん大きな神社。地元では「お多賀さん」と呼ばれ、長寿と縁結びを願う人が全国から訪れます。
「お多賀さん」と呼ばれる命の神様
多賀大社は、滋賀県東部の多賀町にある神社です。まつられているのは伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)と伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)。日本最古の歴史書『古事記』では、この夫婦の神が日本の島々と、太陽の女神・天照大神(あまてらすおおみかみ)をはじめとするたくさんの神々を生んだとされています。
命を生んだ親の神様ということで、昔から「延命長寿・縁結び・厄除け(やくよけ:災いを避けること)」のご利益で知られてきました。鎌倉時代から江戸時代にかけて武士や庶民にも信仰が広がり、分社は全国で239社にのぼります。天照大神をまつる伊勢神宮とは親子の関係にあたるため、「お伊勢参らばお多賀へ参れ お伊勢お多賀の子でござる」という古い歌も残っています。
太閤橋から本殿へ、そして秀吉ゆかりの庭園
境内の入口には、太閤橋(たいこうばし)と呼ばれる石造りの反り橋がかかっています。1638年に造られた橋で、名前は豊臣秀吉(太閤)にちなみます。秀吉は1588年、母の病気が治るよう祈って米1万石を奉納しました。橋を渡って門をくぐると、玉砂利の広い境内の奥に本殿が建っています。今の社殿は1932年(昭和7年)に建て直されたものです。
境内の奥にある奥書院庭園は、秀吉の奉納をきっかけに造られたと伝わる安土桃山時代の庭で、国の名勝に指定されています。建物から池を見下ろす珍しい造りで、鶴島・亀島と呼ばれる島や、水を使わずに石で滝を表した「枯れ滝」があります。庭園の拝観は有料です。
境内には、東大寺を再建した僧・重源(ちょうげん)がここで寿命を授かったという言い伝えの「寿命石」もあります。神社なのに大きな釣り鐘があるのも見どころです。明治時代に神道と仏教が分けられるまで、神社と寺は同じ境内にあるのがふつうでした。この鐘はその時代の名残で、1555年に造られたと伝わります。
しゃもじのお守りと「おたまじゃくし」
多賀大社の名物は「お多賀杓子(おたがじゃくし)」という、しゃもじ(ご飯をよそう道具)の形をしたお守りです。昔、元正天皇が病気になったとき、神主がご飯を炊いてしでの木で作ったしゃもじと一緒に献上したところ、天皇はすぐに回復したという言い伝えに由来します。
この「お多賀杓子」が、スープをすくう「お玉杓子」、そしてその形に似たカエルの子「おたまじゃくし」という言葉の元になったという説があります。
行き方と季節の楽しみ
JR彦根駅で近江鉄道に乗り換え、多賀線の「多賀大社前」駅で降りて歩いて約10分です。駅前の大鳥居から神社までの参道には、みやげ物店が並んでいます。車なら名神高速道路の彦根インターチェンジから約10分で、駐車場もあります。彦根城や琵琶湖とあわせて回ることもできます。
春はしだれ桜、秋は奥書院庭園の紅葉が見ごろです。毎年8月3日から5日の「万灯祭(まんとうさい)」では、奉納されたたくさんの提灯に灯りがともります。4月22日には「多賀まつり」と呼ばれる古例大祭が行われます。祭りの日程や拝観時間は変わることがあるので、公式サイトで確認してください。
ヒント
- 奥書院庭園は、祭典の日などに拝観が中止になることがあります(2026年9月にも古例祭のため中止日がありました)。庭園を目当てに行くなら、公式サイトのお知らせを先に見ておきましょう。
- お多賀杓子はお守りとして授与されています。日本らしいおみやげになり、「おたまじゃくし」の話と一緒に紹介すると喜ばれます。
- 境内の写真撮影やペット連れでの参拝については、公式サイトに案内があります。出かける前に目を通しておくと安心です。
出典
更新日 2026年9月29日. 営業時間や料金は変わるため、出かける前に公式サイトで確認してください。