犬山祭
国宝・犬山城の城下町を、からくり人形を乗せた13台の山車が巡ります。春の2日間、昼は人形の技、夜は提灯の灯りで町が染まる祭りの見どころです。
最近の開催
| 年 | 日程 | 来場者数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2026 | 4月4日〜5日 | — | 第392回。4日の試楽祭は雨のため、午前中に各車山蔵の付近を巡行しただけで正午以降の車山行事は中止。5日の本楽祭は天候が回復し予定どおり行われました。 |
| 2025 | 4月5日〜6日 | — | 第391回。5日は予定どおり。6日の本楽祭は小雨のため車山の巡行やからくり奉納の予定・参加町内を変えて縮小し、夜車山も各車山蔵の周辺を巡るだけになりました。 |
どんな祭り? いつ、どこで?
犬山祭は、愛知県犬山市にある針綱神社(はりつなじんじゃ)の春の祭礼です。毎年4月の第1土曜日とその翌日の日曜日の2日間行われ、1日目を「試楽祭(しんがくさい)」、2日目を「本楽祭(ほんがくさい)」と呼びます。2026年の祭りは392回目でした。
舞台は、国宝・犬山城のふもとに広がる城下町です。13の町内が「車山(やま)」と呼ばれる山車(祭りで曳く飾り車)を出し、別の3つの町内が「練り物」と呼ばれる行列を出して、合わせて16町内が祭りに参加します。13台の車山すべてに、からくり人形が乗っています。
1635年から続く城下町の祭り
主催の犬山祭保存会によると、祭りの始まりは1635年です。当初は下本町と魚屋町の2町内が練り物を出して参列する祭りでしたが、1641年に下本町が練り物を車山に変え、そのときすでにからくり人形を奉納していたと伝えられています。その後、犬山城主・成瀬正虎の奨励で城下の町内が次々に加わり、江戸時代の中ごろまでに今の祭りの原型ができあがったとされます。
江戸時代は旧暦8月に行われていましたが、1898年に4月に移り、何度かの変更を経て現在の「4月の第1土・日曜日」になりました。13台の車山は1964年に愛知県の有形民俗文化財に、「犬山祭の車山行事」は2006年に国の重要無形民俗文化財に指定され、2016年には全国の祭りとともに「山・鉾・屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録されています。
3層の「犬山型」車山と、からくり人形
犬山の車山は、上から「上山(うわやま)」「中山(なかやま)」「下山(したやま)」の3層に分かれた造りで、「犬山型」と呼ばれます。上山はからくり人形が演じる舞台、中山は人形を操る人が入る場所、下山はお囃子を演奏する場所です。お囃子では、若い衆が笛を、子どもたちが太鼓を担当します。
初めて車山に乗ることを「初上がり」といい、盛大に披露する習わしがあります。車山の飾りは漆や螺鈿(貝殻をはめ込む細工)、金糸の刺繍を施した幕などで、町内ごとに異なります。からくりは江戸時代から修復や復元を重ねながら、それぞれの町内で受け継がれてきました。
2日間の流れと見どころ
祭りの前日の夜には「宵祭(よいまつり)」があり、各町内が車山蔵(車山をしまっておく蔵)を開けたり、お囃子を練習したりして町をにぎわせます。試楽祭の日は、朝から各町内を出発した車山が針綱神社に向かい、からくりを披露します。夕暮れには車山が提灯をまとい、夜の城下町を練り歩きます。
本楽祭の日は、13台の車山と3つの練り物が針綱神社の前に集結します。犬山城と神社を背に車山が並ぶ光景は、この祭りの名場面です。各町内が順番に神社に向かってからくりを奉納し、からくりを終えた車山は後ろへ下がる際に「どんでん」を行います。曳き手が車山の前側を担ぎ上げたまま180度回転させる、力の見せどころです。
その後、車山は北組(6台)と南組(7台)に分かれ、日が暮れると提灯に灯りをともした「夜車山(よやま)」が始まります。提灯の数は1台につき1年の日数にちなんだ365個とされ、町はオレンジ色の灯りに包まれます。
混雑と雨への備え
祭りの日の城下町は大変混雑し、特に犬山城前の広場付近や本町通りでは歩行者の通行規制が行われます。係員の誘導に従って歩きましょう。
車山は貴重な文化財で、提灯は雨に濡れると使えなくなります。そのため雨の日は、巡行やからくりが短縮されたり中止されたりします。実施するかどうかは当日の早朝に決まり、午前8時ごろまでに犬山祭保存会の公式サイトや犬山観光ナビ(犬山市観光協会)で発表されます。
祭りの日に行けない場合は、城下町にある「どんでん館」で、実際に祭りで曳かれる高さ約8メートルの車山(4町内分)を一年中見ることができます。
ヒント
- 本楽祭(日曜日)の午前中、針綱神社の前に13台の車山が並ぶ場面は、この祭りを代表する光景です。早めに行って場所を確保しましょう。
- 雨の予報が出ているときは、当日の朝8時ごろに公式サイトや犬山観光ナビで実施状況を確認してから出かけましょう。
- 車山の後退時に見られる「どんでん」は、夜車山でも下本町の交差点などで披露されます。
- 祭りの日は城下町の通りが混雑し、歩行者規制もあります。名鉄の犬山駅または犬山遊園駅から歩いて向かいましょう。
- 祭りの前日の夜には「宵祭」もあり、車山蔵が開いている町内もあります。前日から泊まると、祭りの雰囲気をより味わえます。
出典
- 犬山祭保存会 公式サイト (新しいタブで開きます)
- 犬山祭保存会「犬山祭の歴史」 (新しいタブで開きます)
- 犬山祭保存会「車山と練り物」 (新しいタブで開きます)
- 犬山祭保存会「どんでん館」 (新しいタブで開きます)
- 犬山祭保存会「天候などによる車山運行の中止の場合などの発表方法」(2026年4月1日) (新しいタブで開きます)
- 犬山祭保存会「犬山祭4月4日(試楽祭)の天候によるスケジュール変更につきまして」(2026年) (新しいタブで開きます)
- 犬山祭保存会「4/5犬山祭本楽祭のお知らせ」(2026年) (新しいタブで開きます)
- 犬山祭保存会「第392回犬山祭(令和8年4月4日・5日)は終了いたしました」 (新しいタブで開きます)
- 犬山祭保存会「第391回犬山祭(令和7年4月5日・6日)は終了いたしました」 (新しいタブで開きます)
- 犬山観光ナビ(犬山市観光協会)「犬山祭(4月6日)スケジュール変更」(2025年) (新しいタブで開きます)
- 犬山観光ナビ(犬山市観光協会)「犬山祭の開催情報について」(2026年) (新しいタブで開きます)
- 文化庁 国指定文化財等データベース「犬山祭の車山行事」 (新しいタブで開きます)
- Wikipedia「犬山祭」(補助資料:提灯の数) (新しいタブで開きます)