祭り · 2月

なまはげ柴灯まつり

雪の山の闇から、松明を手にしたナマハゲが次々と下りてくる。大みそかの家々でしか会えない来訪神を、冬の神社で間近に見られる3日間の祭りです。

Crowds gathered around a large bonfire at night in the snowy grounds of Shinzan Shrine during the Namahage Sedo Festival
Photo: 掬茶 (新しいタブで開きます), CC BY-SA 4.0 (新しいタブで開きます), via Wikimedia Commons
開催地

秋田県

  • 秋田県男鹿市北浦の真山神社(男鹿半島)

最近の開催

年日程来場者数備考
20272月12日〜14日(予定)—第64回。入場協賛金の値上げとともに、臨時バスの増便や会場の仮設トイレの増設が予定されています。入場の定員は各日1,800人で、支払いは事前決済のみになります。
20262月13日〜15日—第63回。横手市のかまくらと日程が重なったため、両方の会場でお互いの行事を紹介し合うコラボ企画が行われました。14日にはデンマークの「なまはげ愛好会」の2人がナマハゲに扮して初めて参加しました。
20252月7日〜9日—第62回。入場は事前申込制で、定員は各日2,000人でした。
20242月9日〜11日—第61回。入場は事前申込制で、定員は各日2,000人でした。
20232月10日〜12日—第60回の節目。新型コロナの影響で一部制限されていたプログラムが復活し、「里のなまはげ乱入」は3年ぶりに行われました。初日は吹雪の中での開催でした。

いつ、どこで開かれる?

なまはげ柴灯(せど)まつりは、秋田県男鹿市(おがし)北浦の真山(しんざん)神社で、毎年2月の第2土曜日を含む金・土・日曜日の3日間、夜に開かれる冬の祭りです。主催は男鹿市観光課に事務局を置く実行委員会です。

次回は第64回で、公式サイトによると2027年2月12日(金)・13日(土)・14日(日)に開かれます。会場の広さに限りがあるため入場は事前申込制で、各日の定員は1,800人です。入場には協賛金が必要で、2027年からは申込時の事前決済のみとなり、当日会場での現金払いはできません。中学生以下は無料です。

ナマハゲとは? 大みそかにやって来る来訪神

ナマハゲは、男鹿半島に伝わる大みそかの行事に登場する、面と衣装をつけた神の使いです。12月31日の晩、各集落の若者がナマハゲに扮して「泣く子はいねがー(泣く子はいないか)」などと大声で叫びながら家々を回ります。地元の人々にとっては、怠け心を戒め、無病息災や田畑・山・海の恵みをもたらしてくれる、年の節目に訪れる神様です。迎える家は、昔からの作法どおりに料理や酒を用意してもてなします。

この行事は現在、市内の約85の町内で行われています。1978年に「男鹿のナマハゲ」として国の重要無形民俗文化財に指定され、2018年にはユネスコ無形文化遺産「来訪神:仮面・仮装の神々」の一つとして登録されました。名前の由来は、囲炉裏にあたり続けると手足にできる火型「ナモミ」を剥ぐ(はぐ)という言葉がなまったものだと言われています。

大みそかの行事は各家庭を回る地域の神事なので、旅行者が見学するのは簡単ではありません。柴灯まつりは、そのナマハゲを観光客が見られるように作られた祭りです。

900年続く神事と組み合わせた、1964年からの祭り

祭りの土台になっているのは、真山神社で900年以上前から毎年1月3日に行われている神事「柴灯祭(さいとうさい)」です。この神事と民俗行事のナマハゲを組み合わせたのが、なまはげ柴灯まつりです。境内の広場では祭りの間、大きな柴灯火が焚かれます。

始まりは1964年。男鹿温泉郷の冬の観光を盛り上げようと企画された「雪まつり」を、北浦湯本の星辻神社で開いたのが最初でした。第3回までは星辻神社で行われましたが、来場者が増えて手狭になったため、ナマハゲゆかりの真山神社に会場を移しました。豪雪で真山神社の除雪が間に合わず星辻神社に戻った年(1974年)はあるものの、新型コロナウイルスの流行期も含め、一度も中止されたことがありません。

会場の真山神社は、景行天皇の時代に創建されたとも伝えられる古い神社です。大みそかのナマハゲ行事と違い、祭りはあくまで観光行事なので、松明を持ったナマハゲが雪山に並ぶ演出など、内容は年々工夫が重ねられてきたそうです。

祭りの流れと見どころ

祭りは、境内の広場で行われる神事から始まります。大釜で湯を沸かし、神官がわらぼうきでかき回す湯立て神事「鎮釜祭(ちんかまさい)」と、男鹿地方独特のお祓いの神楽「湯の舞(ゆのまい)」です。続く「なまはげ入魂」では、ナマハゲ役の若者たちが参道入口の石段で神職から面を授かり、ナマハゲとなって山へ入っていきます。

その後、神楽殿(かぐらでん、神楽を奉納する舞台)では大みそかの家々の訪問を再現した「なまはげ行事再現」があり、柴灯火の前では秋田出身の舞踊家・石井漠が振り付け、息子の作曲家・石井歓が曲を付けて1961年に生まれた「なまはげ踊り」が披露されます。ナマハゲと和太鼓を組み合わせた郷土芸能「なまはげ太鼓」も見どころです。

クライマックスは「なまはげ下山」です。境内に面した雪山の闇の中に松明の火が現れ、ナマハゲの列が参道を下りて、観客でいっぱいの境内を練り歩きます。続く「献餅(けんぺい)」では、柴灯火で焼いた大きな護摩餅を神官がナマハゲに差し出しますが、神の力が宿った餅にナマハゲはなかなか触れられず、右往左往します。最後は市内各地区の、面や衣装の違うナマハゲたちが会場に入ってくる「里のなまはげ乱入」で締めくくられます。

観覧のルールと寒さ・アクセスへの備え

会場では、プログラムに合わせて神楽殿や参道などが舞台になります。立入禁止の区域を除けば自由に移動して見られるので、演目ごとに場所を変えると、ナマハゲの迫力を近くで感じられます。混雑対策として大型モニターが置かれた年もあります。傘、カメラの三脚・一脚、自撮り棒、脚立や踏み台は、安全と混雑防止のため持ち込みが禁止されています。ペットを連れての入場もできません。

会場は山の中にあり、地面は舗装されておらず雪が積もっています。会場の前には階段があり、車いすの人にはスタッフが介助してくれますが、場内の移動は簡単ではありません。2月の夜の屋外で2時間以上過ごすことになるので、雪の上を歩ける靴と、しっかりした防寒着を用意しましょう。

会場の近くを通る普段の路線バスはありません。秋田駅からはJR男鹿線で男鹿駅まで約55分、そこから男鹿駅隣の「道の駅おが」発の臨時バス(有料・予約不要)で約30分、合わせて約2時間です。男鹿温泉郷からも臨時バスが出ます。駐車場には限りがあり、雪道の運転に慣れていない人は道の駅おがに車を停めて臨時バスを使うよう、実行委員会がすすめています。

ヒント

  • 入場は事前申込制です。毎年12月ごろに受付が始まり、特に土曜日は早く定員に達する傾向があるので、日程が決まったら早めに申し込みましょう。
  • 演目ごとに舞台が変わるので、案内図で場所を確かめながら移動しましょう。クライマックスの「なまはげ下山」は、境内に面した雪山と参道に注目です。
  • 傘・三脚・一脚・自撮り棒・脚立は持ち込めません。雪が降っても傘は使えないので、フード付きの防寒着が便利です。
  • 祭りの後、焼いた護摩餅は切り分けられ、神楽殿の前でナマハゲから観客に配られます。火難よけのご利益があるとされています。
  • ナマハゲの衣装「ケデ」(稲わらで作った蓑のようなもの)から落ちたわらは縁起が良いとされ、拾って持ち帰る人もいます。

出典

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