十日えびす(今宮戎神社)
「商売繁盛で笹持ってこい!」の掛け声が響くなか、福娘が笹に縁起物を結んでくれる。大阪の商売人が新年最初に頼りにする、えべっさんの3日間です。
最近の開催
| 年 | 日程 | 来場者数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2027 | 1月9日〜11日 | — | 日付は毎年1月9日〜11日に固定されています。 |
| 2026 | 1月9日〜11日 | — | 2,581人の応募から選ばれた福娘が奉仕。10日の宝恵かご行列は十数台のかごと約480人がミナミを練り歩きました。 |
| 2025 | 1月9日〜11日 | — | この冬一番の冷え込みとなった10日に宝恵かご行列が行われました。期間中は24時間参拝でき、12日午前1時に閉門しました。 |
| 2024 | 1月9日〜11日 | — | 新型コロナで中止されていた宝恵かご行列が4年ぶりに復活し、16台のかごと約500人が小雨のミナミを練り歩きました。 |
いつ、どこで開かれる?
十日えびす(十日戎、とおかえびす)は、大阪市浪速区の今宮戎神社で毎年1月9日・10日・11日の3日間行われる祭りです。9日を「宵(よい)えびす」、10日を「本(ほん)えびす」、11日を「残り福(残りえびす)」と呼びます。日付は曜日に関係なく毎年同じで、次回は2027年1月9日(土)〜11日(月・祝)です。
まつられているのは、商売繁盛・福徳円満の神様「えびす様」。大阪では親しみを込めて「えべっさん」と呼ばれます。左わきに鯛を抱え、右手に釣りざおを持つ姿でよく描かれ、漁業の守り神、海の幸をもたらす神でもあります。今宮戎神社は「日本三大戎」の一つとも呼ばれます。
2025年の日程では、期間中は24時間お参りでき、12日の午前1時に門が完全に閉まりました。
海辺の市の神様から、大阪商人の神様へ
神社の説明によると、今宮戎神社は600年ごろ、聖徳太子が四天王寺を建てる際に、その西側を守る神としてまつられたと伝えられています。かつては海岸に近く、平安時代には宮中に鮮魚を納めていました。平安時代後期には四天王寺の西門に「浜の市」が立ち、えびす様はその市の守り神としてあがめられるようになりました。
江戸時代に大阪が商業の町として栄えると、えびす様は大阪の商売を守る神として厚く信仰され、十日戎もにぎわうようになります。1675年の大阪案内図にもその様子が描かれています。1945年の空襲で社殿はすべて焼けましたが、1956年に本殿が再建され、今では近畿地方はもちろん全国から参拝者が訪れる、大阪の年の最初の祭りになっています。
福笹と「吉兆」、福娘
参拝者が手にするのが「福笹(ふくざさ)」です。神社によると、これは群生する笹ではなく孟宗竹(もうそうちく)の枝で、一年中青々とした葉をつける竹の生命力にあやかったものです。そこに結ぶ縁起物は「吉兆(きっちょう)」と呼ばれ、神社では古くから「小宝(こだから)」とも呼んできました。小判、米俵、鯛、打ち出の小槌、大福帳(江戸時代の商人の帳簿)など、山・海・野の恵みを表す飾りです。
笹に吉兆を結んでくれるのが「福娘(ふくむすめ)」です。そろいの着物に白い千早(ちはや、巫女の上着)と金色の烏帽子(えぼし)を着け、3日間、朝9時から夜9時まで授与所に立ちます。毎年一般から募集され、2026年は2,581人の応募から44人が選ばれました。笹を受け取ると「ようお参りでした」と声をかけてくれます。
境内ではずっと「商売繁盛で笹持ってこい」というおはやしが流れています。大きな熊手やざるの飾りも境内や周辺で売られていますが、神社によると、これらは崇敬団体や露店が販売しているもので、神社の授与品ではありません。
10日の「宝恵かご行列」
本えびすの10日には、紅白の布で飾ったかごに福娘や俳優、落語家などが乗り、「ほえかご、ほえかご」の掛け声とともに道頓堀などミナミの繁華街を練り歩いて神社へ向かう「宝恵駕(ほえかご)行列」があります。もとはミナミの芸者たちが派手にかごを連ねて参拝したのが始まりで、200年以上続いているとされます。明治から昭和の初めの最盛期には100台ものかごが並んだと神社は伝えています。
このほか、江戸時代には毎年1月9日の宵えびすに雑喉場(ざこば)の魚市場が雌雄一対の大鯛を奉納する習わしがあり、その流れを継ぐ大阪木津市場の人々が、今も十日戎に鯛を奉納しています。7日の餅つき、8日の献茶祭・舞楽奉納など、前後にも関連の神事が続きます。
混雑と参拝のマナー
3日間は多くの参拝客でにぎわいます。神社によると、期間中は祈祷の予約は受け付けず、授与品は現金のみ、値引きには一切応じていません(授与品には神様の御霊が込められているため)。境内へのペットの立ち入りも禁止されています。
お参りは「二拝二拍手一拝」が基本です。2回深くおじぎをし、2回手を打ち、祈ったあとにもう一度おじぎをします。前年に受けた福笹は、一年中いつでも境内の「古札納所(こさつおさめしょ)」に返すことができます。
ヒント
- 福笹は十日えびすの3日間しか授与されません。吉兆(小判や米俵などの飾り)は、ほかの時期でも受けられます。
- 授与品は現金のみです。小銭を用意していくとスムーズです。
- 宝恵かご行列を見るなら10日の午前中、道頓堀周辺へ。福娘や有名人がかごから手を振ってくれます。
- 大きな熊手などは露店の商品で、神社には返納できません。神社で受けた笹や御札は古札納所に返しましょう。
- 十日えびすの3日間は祈祷の予約ができません(随時受付)。また1月7日・8日は関連神事のため祈祷自体を受け付けていません。
出典
- 今宮戎神社「十日戎」 (新しいタブで開きます)
- 今宮戎神社「今宮戎神社とは」 (新しいタブで開きます)
- 今宮戎神社「福娘について」 (新しいタブで開きます)
- 今宮戎神社「よくあるご質問」 (新しいタブで開きます)
- 今宮戎神社「参拝のご案内」 (新しいタブで開きます)
- デイリースポーツ「『商売繁盛で笹持ってこい!』大阪・今宮戎神社の『十日戎』賑わう」(2025年) (新しいタブで開きます)
- 産経ニュース「『十日戎』が幕開け、福笹手にご利益求め 今宮戎神社」(2026年) (新しいタブで開きます)
- 産経ニュース「宝恵かご行列、福娘や俳優を乗せ華やかに 大阪・ミナミの新春行事」(2026年) (新しいタブで開きます)
- 朝日新聞「今宮戎神社の福娘、十日戎をPR」(2026年) (新しいタブで開きます)
- 朝日新聞「神様えべっさんに商売繁盛願う 大阪・今宮戎神社で『十日戎』始まる」(2026年) (新しいタブで開きます)
- 産経ニュース「商売繁盛願って 今宮戎神社で『本えびす』」(2025年) (新しいタブで開きます)
- 日本経済新聞(共同)「宝恵かご行列、4年ぶりに彩り戻る 大阪・ミナミ」(2024年) (新しいタブで開きます)
- THE PAGE「4年ぶり復活『宝恵かご』 大阪・今宮戎神社の十日戎で」(2024年) (新しいタブで開きます)