今治城
Imabari Castle
瀬戸内海の海水を堀に引き込んだ、日本でも珍しい「海の城」。潮の満ち引きとともに海の魚が泳ぐ堀の向こうに、白い天守が映ります。
築城の名人がつくった海城
今治城は、愛媛県今治市の瀬戸内海に面した海岸に築かれた、平地の城(平城:ひらじろ)です。築いたのは、城づくりの名人として知られる戦国武将・藤堂高虎(とうどう たかとら)。1600年の関ヶ原の戦いの功績で伊予国(いよのくに:今の愛媛県)の半分を与えられ、1602年に築城を始めました。
城は三重の堀に囲まれ、堀には海水が引き込まれていました。大きな船の出入りする港も備えた、全国でも有数の海城(うみじろ)です。1635年からは久松松平家が今治藩の藩主として城に入りました。「日本三大水城」のひとつに数えられ、「日本100名城」にも選ばれています。
明治に失われ、昭和から再建
明治維新のあと、城の建物のほとんどは取り壊され、内側の堀と石垣だけが残りました。1980年に鉄筋コンクリートで天守(てんしゅ:城の中心となる高い建物)と多聞櫓(たもんやぐら:石垣の上に長く続く櫓)が建てられ、その後も御金櫓、山里櫓、鉄御門(くろがねごもん)が順に再建されました。
ただし、藤堂高虎の時代に今治城に天守があったかどうかは、はっきりわかっていません。いまの5層6階の天守は、かつて北隅櫓(きたすみやぐら)があった場所に建てられたもので、江戸時代の天守を忠実に復元したものではありません。
海の魚が泳ぐ堀と天守からの眺め
今も堀には海水が出入りしていて、堀をのぞくと海の魚が泳ぐ姿を見られます。
天守の中は6階建ての展示施設になっていて、武具や美術品、歴史資料が並びます。最上階は360度見渡せる展望台で、瀬戸内海やしまなみ海道の島々を見渡せます。スマートフォンのAR(拡張現実)アプリ「今治城AR」を使うと、今の景色に江戸時代の城の姿を重ねて見ることができます。
夜は約100基の照明で城がライトアップされ、堀の水面に姿が映ります。
行き方
JR予讃線の今治駅から、せとうちバスで「今治城前」まで約10分、そこから歩いて約3分です。天守の開館時間や入場料は変わることがあるので、今治市の公式サイトで確認してください。年末は休館し、展示替えなどで臨時休館することもあります。
ヒント
- 天守に上る前に、スマートフォンに「今治城AR」アプリを入れておくと、最上階で江戸時代の城の姿と今の景色を見比べられます。
- ライトアップは日没の少しあとから始まります。夕方に天守から景色を見て、暗くなってから堀越しの城を眺めると、昼と夜の両方を楽しめます。
- しまなみ海道をサイクリングする前後に立ち寄りやすい場所です。天守の最上階から、これから渡る(または渡ってきた)島々を確かめられます。
出典
更新日 2026年9月29日. 営業時間や料金は変わるため、出かける前に公式サイトで確認してください。