四国 地方

愛媛県

愛媛は、島々を結ぶ橋やみかんに覆われた斜面に、山の登山道、古い城下町、温泉、そして活気ある俳句の伝統を併せ持つ県です。

Spring view of Minatoura in Ikata, Ehime, seen from the Melody Line
Photo: Amake, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

島々を結ぶ橋から霊峰へ

愛媛は四国の北西側を占めています。東部の島々は瀬戸内海に面し、南西部は宇和海に向かって開けています。内陸では、土地が四国山地へと高まっていきます。こうした海岸線と標高の幅が、県を横断する旅がいくつもの異なる旅のように感じられる理由を説明してくれます。

橋と島々をつなぐルートである「しまなみ海道」は、愛媛の今治と広島県の尾道を結んでいます。サイクリストはここで瀬戸内海を渡ることができ、橋を単なる通り道として扱うのではなく、島の集落に立ち寄りながら進めます。さらに内陸には、標高1,982メートルの石鎚山がそびえています。西日本最高峰であり、古くから霊峰として崇められてきました。愛媛の南部は、また違った海岸の姿を見せます。急な斜面と深く入り組んだ海岸があり、山腹にはみかんの段々畑が築かれています。

湯屋、城、そしてろうの商人

愛媛の県庁所在地である松山は、その歴史を知るための便利な出発点です。松山城は、日本に12しか残っていない現存天守のひとつを持ち、市街を見下ろしています。近くの道後温泉(onsen は温泉を意味します)は、その歴史が約3,000年前にさかのぼると言われる温泉街です。城の高い見晴らしと道後の街並みは、この町を知るための2つの異なる方法を提供してくれます。

愛媛南部の内子は、武家とは異なる物語を語っています。木ろうと生糸がこの地域に繁栄をもたらし、今も町並みを形づくる商家の建物を残しました。木造の芝居小屋「内子座」は、この町の人々が芝居を好んだことを思い起こさせます。その舞台装置は人の手で動かすよう設計されていました。松山の後に内子を訪れると、その対比がはっきりします。愛媛の過去は、城主や湯に浸かる人々だけでなく、商人や職人、芝居好きの人々のものでもあるのです。

鯛、みかん、そして長く使えるもの

鯛めし(鯛とご飯の料理)を頼むと、どこにいるかによって作り方が違います。松山周辺では鯛をご飯と一緒に炊き込み、宇和島風の鯛めしは生の鯛の切り身をご飯にのせます。愛媛の食が県内の地域によってどう変わるかを知る、よい最初の教訓になります。

そして、愛媛と深く結びついた温州みかん(mandarin orange)があります。柑橘は日当たりのよい海岸沿いでよく育ち、果物はジュースやお菓子にもなっています。食べられるお土産以外にも目を向けてみてください。今治には長いタオル作りの伝統があり、砥部焼(Tobe pottery)は実用的な器と藍色の絵付けで知られています。こうした品々は、身近な日用品の背後にある仕事をよく見てみる価値があることを教えてくれます。

俳句ポストと祭りの太鼓

松山は、俳句(伝統的に季節に目を向ける日本の短い詩)を大切にしています。俳人・正岡子規はこの町の出身で、松山城や、温泉街の中心となる湯屋である道後温泉本館などに、俳句を投稿するための専用の「俳句ポスト」が設置されています。これらのポストのおかげで、俳句は博物館で読むだけのものではなく、今も人々が参加できるものだと感じられます。

ほかの場所では、地元の誇りはずっとにぎやかに表現されます。秋の新居浜太鼓祭りでは、チームが巨大な太鼓の形をした山車(太鼓台)を担いで町を練り歩き、群衆の声援の中でそれを頭上に差し上げます。夏には、宇和島の牛鬼まつりで巨大な牛鬼の山車が練り歩きます。これらの祭りはそれぞれ異なる個性を持っていますが、どちらも通りを地域の人々が共有する舞台に変えます。

一年で変わる眺め

春には、松山城の周辺や島々などで梅、そして桜が咲きます。梅雨はたいてい6月から7月にかけてです。夏は蒸し暑いことがあるので、川や山の渓谷は海岸とは違った舞台を提供してくれます。夏は宇和島の牛鬼まつりの季節でもあります。

秋には森が色づくにつれて山の上へと関心が向かい、新居浜の太鼓台が県の東部に活気をもたらします。冬は愛媛の対比を見せてくれます。海岸沿いでは雪は珍しいものの、山地や高原は雪に覆われることがあります。道後の湯を訪れるのも、寒い時期にはまったく違った趣があります。愛媛にはひとつの季節しかないわけではありません。何に気づくかは、月だけでなく、海と山のどちらに向かうかによっても変わるのです。

到着と移動

旅行者はよく、松山空港から、岡山から瀬戸大橋を渡る列車で、あるいは広島や九州からのフェリーで到着します。しまなみ海道も、広島から自転車や車で入るルートになります。松山に着いたら、路面電車が市内の主なエリアを結んでくれます。JR松山駅と、別の鉄道が発着する松山市駅を混同しないよう注意してください。

JRの列車が今治、松山、宇和島などの海沿いの都市を結び、バスがそのネットワークを補っています。しまなみの島々を巡るなら自転車が理にかなっています。愛媛南部では、列車で内子や大洲といった町へ行けますが、山間部や佐田岬半島への旅にはより綿密な計画が必要です。レンタカーや観光タクシーを使えば、そうした地域を巡りやすくなります。まったく異なる景観が隣り合っていると思い込まず、旅程にこの県のための余裕を持たせてください。

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