日本の食べもの · 麺類

ラーメン

中国から伝わった麺料理は、100年あまりで札幌の味噌、博多の豚骨、喜多方の「朝ラー」と、土地ごとの一杯に育ちました。

A bowl of ramen in Sapporo with soft-boiled egg halves, green onion and bamboo shoots in a cloudy broth
Photo: Party Lin, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons
ゆかりの地域

全国で食べられている料理

本場として知られるのは 北海道・福島県・福岡県・東京都。

  • 北海道札幌の味噌、函館の塩、旭川の醤油など地域ごとの味がある。北海道遺産にも選ばれている
  • 福島県喜多方ラーメンの町。平たい縮れ麺と、朝からラーメンを食べる「朝ラー」が特徴
  • 福岡県白く濁った豚骨スープと細い麺の博多ラーメン。麺だけをおかわりする「替え玉」がある
  • 東京都1910年に浅草で開店した「来々軒」が最初のラーメンブームを起こした。昔ながらの味は醤油

ラーメンとはどんな料理?

ラーメンは、中華麺(中国式の小麦粉の麺)を温かいスープに入れ、チャーシュー(味付けした豚肉)、メンマ(味付けしたタケノコ)、ねぎなどをのせた麺料理です。日本では「支那そば」「中華そば」とも呼ばれてきました。

日本政府観光局(JNTO)は、主なスープを4つに分けて紹介しています。塩、醤油、味噌の3つは味付けの違いで、もう1つの豚骨は、豚の骨を煮出したクリーミーな白いスープです。多くの店は1〜2種類のスープに絞って営業しています。

ラーメンは長居せずに手早く食べる、気軽な食事です。ギョーザ(焼き餃子)やチャーハン、ビールと一緒に頼む人も多くいます。

中国の麺料理から日本の国民食へ

新横浜ラーメン博物館の年表によると、1859年の開港で外国人が住むようになり、中国の麺料理も日本に入ってきました。1884年に函館の洋食店が「南京そば」を出していたという記録があり、日本初のラーメンとする説もありますが、今のラーメンにつながる料理だったかどうかはわかっていません。

1910年には東京・浅草に「来々軒」が開店し、最初の大きなラーメンブームを起こしたとされます。1923年の関東大震災では東京や横浜の料理人が全国に散らばり、屋台やラーメン専門店が各地に増えました。第二次世界大戦の後は、中国から引き揚げてきた人たちが覚えてきた作り方で屋台を開き、安くて栄養のあるラーメンが、物の少ない時代に人気を集めました。

1958年には初のインスタントラーメン「チキンラーメン」が発売され、それまで「支那そば」「中華そば」と呼ばれていた料理が「ラーメン」という名前で全国に広まりました。1971年にはカップ麺も登場しています。

北海道、喜多方、博多:ご当地ラーメンの違い

北海道では、寒い気候もあって戦後にラーメンが急速に広まり、地域ごとの味が生まれました。農林水産省によると、札幌は味噌、函館は脂の少ない澄んだ豚骨スープの塩、旭川は醤油が知られています。旭川ではスープの表面を香りのよい油で覆い、最後まで冷めにくくしています。札幌の味噌ラーメンは、1954年に市内の店で考案されたものです。北海道のラーメンは、道民の宝物を選ぶ「北海道遺産」にも選ばれています。

福島県の喜多方ラーメンは、大正時代の終わりに中国から来た青年が屋台で売り歩いた「支那そば」が始まりとされています。飯豊連峰のやわらかい伏流水を使ったスープと、水分を多く含ませて熟成させた平たい縮れ麺が特徴です。朝からラーメンを食べる「朝ラー」の習慣でも知られ、2021年度には文化庁の「100年フード」に認定されました。

福岡の博多ラーメンは、白く濁った豚骨スープと、コシのある細い麺の組み合わせです。麺の硬さを「やわ」「かた」「バリカタ」「はりがね」などから選べ、食べ終わった麺だけを追加する「替え玉」も頼めます。九州の白濁した豚骨スープは、1947年に久留米の店が出し始めたものが源流とされています。なお、東京の昔ながらの味は、豚骨や鶏ガラでとった色の濃い醤油味です。

注文の仕方と食べ方

多くのラーメン店では、入口近くの券売機で先に食券(食事のチケット)を買います。お金を入れ、ラーメンや飲み物、サイドメニューのボタンを押し、出てきた券をお店の人に渡してから席で待ちます。店員に直接注文する店もあります。

JNTOによると、麺をすすって音を立てて食べるのは失礼ではなく、むしろ箸で食べやすくなるといいます。スープは全部飲んでも、器を持ち上げて飲んでもかまいません。麺と具を食べ終えてスープを残しても、ちゃんと食べ終えたことになります。

ラーメン店はのんびり過ごす場所ではありません。話をするのは問題ありませんが、外に行列ができているときは、食べ終えたら早めに席を空けましょう。

どこで食べる?食事制限のある方へ

ラーメン店は全国どこにでもあり、ほとんどの地域に独自のスタイルがあります。JNTOは、旅先ではその土地の店に入ってみることをすすめていて、店の前の行列は味のよさの目安になることが多いそうです。

福岡では、夜になるとのれんを掲げた屋台が街のあちこちに約100店並び、ラーメンも食べられます。福岡市の観光サイトによると、天気が悪い日はほとんどの屋台が休みで、屋台にはトイレがありません。

食事制限のある方へ:スープは豚骨や鶏ガラなど動物の骨からとることが多く、チャーシューは豚肉です。ベジタリアンの方や豚肉を避けたい方は、注文の前に材料を確認してください。

ヒント

  • 店に入ったら、まず入口近くに券売機がないか確認しましょう。食券を買ってから席に着く店が多くあります。
  • 博多ラーメンの店では、麺の硬さを選んだり、「替え玉」で麺だけを追加したりできます。
  • 喜多方では朝から営業するラーメン店があり、地元の「朝ラー」文化を体験できます。
  • 麺をすするのはマナー違反ではありません。スープは全部飲んでも、残してもかまいません。
  • 福岡の屋台は天気の悪い日は休むことが多いので、出かける前に天気予報を確認しましょう。

出典

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