九州・沖縄 地方

福岡県

福岡は、にぎやかな玄関口の都市に、海辺の町、掘割の舟旅、古い神社、お茶の産地、そしてラーメンにとどまらない食文化を併せ持つ県です。

A view inside Senbutsu Limestone Cave.
Photo: Szabolcs Arany from Fukuoka, Japan, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

海と山の間の4つの地域

福岡県は、日本の主要な島のうち最も南にある九州の北端に位置しています。アジア大陸に面した位置のおかげで、朝鮮半島や中国との接点となってきました。福岡市が主な到着地点ですが、県には福岡、北九州、筑豊、筑後という4つの異なる地域があります。地域単位で考えると役に立ちます。都市での滞在、海辺への外出、内陸への旅は、それぞれまったく違った旅のように感じられるでしょう。

市の西にある糸島半島には、ビーチと海辺の文化があります。南部の筑後では、景観が筑紫平野や柳川の水路へと開け、やがて有明海に至ります。さらに内陸では、八女の茶畑が山の気候と頻繁に発生する霧の恩恵を受けています。この県の個性は、博多駅周辺の街並みだけでなく、こうしたすべての景観から生まれているのです。

神社、城下町、そして産業の痕跡

海を越えた長い交流の歴史は、県内で生まれた歴史と並んで存在しています。太宰府天満宮は、今では学問と結びつけられている学者であり政治家でもあった菅原道真を祀る神社です。福岡市では、江戸時代初期に築かれた城の跡が、のちの地方の大名の時代を思い起こさせます。柳川の掘割はかつての城下町を流れており、舟で巡ると、古い町並みを水上から眺めることができます。

筑豊では、かつての炭鉱王の邸宅が、炭鉱と結びついた富の一端を今に伝えています。これらの場所は頭の中で区別しておく価値があります。福岡の過去は、ひとつのきれいにまとまった「昔の日本」の物語ではなく、海の道、宗教の伝統、藩、そして産業が次々と積み重なったものなのです。

食べるもの、持ち帰るもの

豚骨のスープの麺である豚骨ラーメンが、おなじみの出発点です。細い麺であることから、地元ならではの注文の作法が生まれました。「替え玉」とは、残ったスープに追加する麺のおかわりのことです。このスタイルのルーツは、福岡市だけではなく、県内の別の場所である久留米にあります。地元のやわらかいうどん(太い小麦の麺)もあり、よくごぼう天と一緒に出されます。

みんなで囲む食事なら、もつ鍋があります。キャベツ、にら、にんにくと一緒に煮込むことが多いホルモンの鍋料理です。明太子(味付けしたスケトウダラの卵)は、ご飯にのせたり、贈り物として売られる食品に使われたりしています。柳川には独自の料理があり、うなぎを焼いてからご飯の上で蒸し、錦糸卵をのせたもの(うなぎのせいろ蒸し)です。八女では、八女茶、とくに玉露を探してみてください。新芽に日光が当たらないよう覆いをして育てる緑茶です。その甘みと深いうま味は、ラーメン一杯よりも静かな、この県のお土産になります。

祭り、工芸、そして地元の言葉

博多祇園山笠は、福岡市の7月を紛れもないものにします。背の高い装飾された山笠が通りに現れ、チームがより小さなレース用の山笠を担いで走ります。5月初めの博多どんたくでは、人々がしゃもじ(ご飯をよそうのに使う木のへら)を手にパレードします。県の祭りはこれだけではありません。柳川の春の「さげもん」は、子どもの健やかな成長への願いを込めて作られる吊るし飾りの布細工で、北九州にはちょうちんで覆われた独自の祭りの山車があります。

会話の中で、「よい」を意味する方言「よか」に出会うかもしれません。その響きは、観光バス「よかバス」の名前にも使われています。

花と食が彩る一年

春は太宰府天満宮の梅に始まり、続いて福岡城跡の舞鶴公園の小道沿いに桜が咲きます。北九州では藤の花がまた違った色の変化をもたらします。柳川では、春はさげもんの展示や子どもたちの舟のパレードの季節でもあり、掘割は単なる背景ではなく、お祝いの一部のように感じられます。

夏は人々を糸島のビーチへと誘い、博多の通りに祭りの山笠を呼び込みます。紅葉を見るなら、秋月が市街地に代わる行き先になり、能古島ではコスモスが島を彩ります。冬はもっと親密なペースになります。もつ鍋を一杯、糸島の牡蠣、あるいはこたつ(暖かい布団をかけた低いテーブル)を備えた柳川の川下り舟。2月には柳川で掘割の清掃(水落ち)も行われ、舟のルートに影響することがあります。

到着と、市街地の外への探訪

旅行者はよく、福岡空港から、あるいは日本の高速鉄道である新幹線で博多駅に到着します。空港は地下鉄で福岡の中心部と結ばれています。県のその側(東部)へ行くなら北九州空港も選択肢のひとつで、鉄道なら小倉を経由して入れます。福岡市は拠点として便利ですが、県全体を市からの小旅行として扱うのではなく、ほかにどの地域を見たいかを決めておく価値があります。

列車とバスが主要な都市を結んでおり、福岡市からは鉄道、バス、フェリーで県内各地へ足を延ばせます。駅から離れた場所へは、路線バス、タクシー、レンタカー、あるいは団体のバスツアーを使うと最後の区間が楽になるでしょう。茶畑や山の寺、より人里離れた海岸を一日の予定に入れるなら、こうした追加の計画が役に立ちます。

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