吉備津神社
Kibitsu Shrine
桃太郎の鬼退治のもとになったといわれる伝説が伝わる、岡山の古社。国宝の本殿と、山のふもとをまっすぐにのびる長い廻廊が見どころです。
桃太郎伝説のルーツといわれる神社
吉備津神社は、岡山市北区吉備津にある神社です。かつての備中国(びっちゅうのくに、今の岡山県西部)で最も格の高い「一宮(いちのみや)」とされてきました。主祭神は大吉備津彦大神(おおきびつひこのおおかみ)です。
この神社には、朝廷から遣わされた吉備津彦が、吉備の地で人々を苦しめていた「温羅(うら)」という鬼を退治したという伝説が伝わっています。神社はこの話を、日本の昔話「桃太郎」の原型だと紹介しています。境内には、温羅の首を埋めたと伝わる御釜殿(おかまでん)など、伝説にまつわる場所があります。
国宝の本殿「吉備津造」と長い廻廊
本殿と拝殿(はいでん、参拝者がお参りする建物)は、室町時代の1425年に再建されたもので、国宝に指定されています。2025年には再建から600年を迎えました。本殿は、入母屋造(いりもやづくり)の屋根を2つ前後に並べたような独特の形で、「比翼入母屋造(ひよくいりもやづくり)」または「吉備津造」と呼ばれます。この形の本殿は全国でここだけとされています。
本殿から南へは、屋根のついた長い廊下「廻廊(かいろう)」がまっすぐにのびています。廻廊は岡山県の重要文化財で、柱が規則正しく並ぶ奥行きのある眺めは、この神社を代表する景色です。
釜の音で占う「鳴釜神事」
吉備津神社は、釜を焚いたときに鳴る音で吉凶を占う「鳴釜神事(なるかましんじ)」でも知られています。伝説では、退治された温羅が、よいことがあれば釜が豊かに鳴り、悪いことがあれば荒々しく鳴って知らせると告げたとされます。この神事は江戸時代の怪談集『雨月物語』の一話「吉備津の釜」にも登場します。
鳴釜神事は申し込めば受けることができますが、行われない曜日や受付時間が決まっています。受けたい場合は公式サイトで最新の案内を確認してください。
行き方と季節の花
最寄り駅はJR吉備線(桃太郎線)の吉備津駅で、駅から歩いて約10分です。岡山駅や倉敷駅から電車で向かうことができます。
境内では、春の終わりから初夏にかけてぼたん、梅雨の時期にはあじさいが咲き、花の季節には廻廊とあわせて楽しめます。開門時間などは変わることがあるので、公式サイトで確認してください。
ヒント
- 本殿を見たあとは、廻廊を端まで歩いてみましょう。境内は広いので、歩きやすい靴がおすすめです。
- 本殿は正面だけでなく、横から見ると2つ並んだ屋根の形がよくわかります。
- 鳴釜神事を受けたい場合は、行われない曜日があるので、日程を決める前に公式サイトで確認しておきましょう。
出典
更新日 2026年9月29日. 営業時間や料金は変わるため、出かける前に公式サイトで確認してください。