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岡山県

岡山は、日差しあふれる瀬戸内海の海岸から雪の降る北部の山地まで広がり、古代吉備の歴史、果樹園、そして今も営まれるものづくりの町があります。

Terraced rice fields at Kamimomi in Kumenan, Okayama Prefecture
Photo: simcat, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

内海から山の国へ

岡山はよく「晴れの国」と呼ばれますが、その景観はこの愛称が示す以上に変化に富んでいます。南部では平野が瀬戸内海に接し、穏やかな海には島々が点在しています。内陸に進むと、土地は吉備高原の丘陵を経て中国山地とその盆地へと高くなっていきます。吉井川、旭川、高梁川が北から流れ下り、県内のこうした異なる地域を結んでいます。

こうした多様さがあるので、岡山市の外にも目を向ける価値があります。牛窓からは内海を見渡す眺めが楽しめ、蒜山には高原の風景があり、北部の谷あいは海岸とはまったく違う雰囲気です。湯原や奥津といった温泉地も北部にあります。ここでの旅は、県の外に出ることなく、島々に面した海岸から山の景色へと移っていくことができます。

吉備の物語と、長く続くよう築かれた町

岡山県ができるはるか昔、この地域は古代吉備文化の中心地でした。今もこの地と深く結びつけられている物語のひとつが、鬼退治に出かける桃太郎(Peach Boy)です。この結びつきは地元で大切にされていますが、特定の場所で実際にこの話が起きたという主張ではなく、民話として理解するのがよいでしょう。

岡山市では、岡山城の黒い外観が、川の向こうにある庭園・後楽園と印象的な対をなしています。倉敷は物語の別の一面を伝えています。美観地区には、商人町だった時代の運河と白壁の蔵が残っています。県の歴史の糸はこれだけではありません。児島周辺ではデニム製造がこの地域に現代的なものづくりの個性を与えており、一方の備前焼(Bizen pottery)ははるかに古い焼き物の伝統を受け継いでいます。これらの場所を合わせて見ると、岡山は城や伝説と同じくらい、交易とものづくりによって形づくられてきたことがわかります。

桃、海の幸、そしてお祝いのご飯

岡山の果物の評判は、白桃とぶどうから始まります。桃農家は木の上で熟していく果実に袋をかけ、地元のぶどうにはマスカットの品種もあります。収穫期には、果物を生のまま、お菓子として、あるいは果樹園で味わえることがあります。もち米で作る小さなお菓子「きびだんご」は、桃太郎の話と結びついているため、すぐにそれとわかるお土産になります。

土地の個性をもっと強く感じる食事なら、岡山ばら寿司を探してみてください。ばら寿司とは「散らした寿司」という意味で、瀬戸内海の魚介と季節の野菜を味付けしたご飯の上に並べたものです。伝統的に祭りやお祝いの料理とされてきました。牡蠣も海辺の食材のひとつで、地元の食べ方のひとつに、お好み焼き(塩味のパンケーキのような料理)に入れるものがあります。果樹園の果物と魚介の対比は、県の日当たりのよい平野と瀬戸内の海岸が食卓をどう形づくっているかを多く物語っています。

地元の言葉と、おなじみのヒーロー

旅行者が学んだことのありそうな標準語だけでなく、地元の方言である岡山弁にも耳を傾けてみてください。県が作った日常の言葉のガイドでは、「ぼっけえ」(bokkee と発音)が、何かがすごい、とても見事だと言うときの表現として挙げられています。また「じゃけん」(jakén)が「〜だから」という意味になることも紹介されています。自分でどちらかの言葉を使う必要はありません。会話が地元のリズムを帯びるのを聞くだけでも楽しめます。

桃太郎も、地元の人々にとってなじみのある存在です。その名前は民話のものであり、空港の名前にも使われ、お菓子として売られているきびだんごとも結びついています。このなじみ深さから、旅行者にとって役立つ区別が見えてきます。岡山の「桃」というアイデンティティは、果樹園という農業面でのものであると同時に、日本中で語り継がれる物語という文化面でのものでもあるのです。

海岸から高原へ、移り変わる一年

春には岡山市の旭川沿いに桜が咲き、続いて後楽園が新緑に包まれます。夏は果物、とくに桃の季節で、ぶどうが秋にかけて続きます。海岸部は晴れの日が多いですが、だからといって岡山のどこでも一年を通じて同じように感じられるわけではありません。

秋は、庭園でも山あいの奥でも、紅葉の中を歩くのに向いています。冬は南北の違いがいちばんはっきりします。岡山市や倉敷市では雪は珍しいのに対し、北部では雪景色が見られることがあります。北部では、日本の温泉である onsen につかることが、海辺の散歩とはまた違った魅力になります。都市ではなく特定の景色を目当てに計画を立てるなら、季節と県内のどの地域かの両方が同じくらい重要です。

岡山を拠点にする

岡山駅は便利な出発点です。日本の高速鉄道である新幹線が、大阪、京都、広島、東京などの都市と結んでおり、県には空港や高速バスの路線もあります。駅からは在来線やバスで、倉敷や北部の都市を含む岡山のほかの地域へ行くことができます。

岡山を単なる鉄道の通過点として扱うのではなく、旅程に余裕をもたせてください。岡山市では庭園と城が自然な組み合わせになり、倉敷は運河や古い建物の間を歩いて過ごす時間に応えてくれます。高原や谷あい、あるいは互いに離れた立ち寄り先をいくつも回るなら、レンタカーがルートに合うか検討してみてください。岡山の位置からは、四国へ向かう旅もスムーズです。

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