倉吉白壁土蔵群(倉吉市打吹玉川 重要伝統的建造物群保存地区)
Kurayoshi Shirakabe Dozogun (White-Walled Storehouses)
小さな水路・玉川に沿って、白い漆喰の壁と赤い瓦の蔵が並ぶ鳥取県倉吉市の古い町並み。酒蔵や醤油蔵だった建物が、今はカフェや店、工房になっています。
城下町から商人の町へ
倉吉(くらよし)は鳥取県の中部、鳥取市と米子市のあいだにある町です。室町時代に打吹城(うつぶきじょう)が築かれ、城下町として発展しました。1615年に城が廃止されたあとは、鳥取藩の陣屋(役所)が置かれ、木綿や織物、酒や醤油づくりなどの商工業で栄えました。その繁栄は明治時代まで続きます。
当時の町並みが残るのが、打吹山(うつぶきやま)の北側にある打吹玉川(うつぶきたまがわ)地区です。東西に流れる玉川という用水路に沿って白壁の土蔵が約40棟、表通りの本町通りに面して町家(まちや、商人の住まいを兼ねた店)が約90棟残っています。1998年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」(歴史的な町並みを国が選んで守る制度)に選ばれ、2010年に範囲が広げられました。
白い壁、黒い板、赤い瓦
玉川沿いの蔵の壁は、上半分が白い漆喰(しっくい)、下半分が黒い焼き杉の板です。漆喰は水を防ぎ、表面を焼いた杉の板は火や風雨に強くするための工夫です。玉川には、一枚の石でできたゆるやかな反りのある石橋がいくつも架かっています。
屋根の赤い瓦は、島根県西部の石見(いわみ)地方で生まれた「石州瓦(せきしゅうがわら)」です。1200℃以上の高温で焼くため、寒さで凍って割れにくく、雪の多い山陰地方で使われてきました。白壁と赤瓦の組み合わせが、この町並みを明るい印象にしています。
表通り側は格子のある町家の顔、裏の玉川側は白壁の蔵が連なる顔と、通りによって違う表情が見られるのもおもしろいところです。
蔵を活かした店とものづくり体験
かつて酒蔵や醤油蔵として使われていた建物は、今では物産館やカフェ、ギャラリー、工房などとして使われています。大正時代の醤油の蔵を改装した「赤瓦一号館」などが知られています。
倉吉に江戸時代から伝わる張り子人形「はこた人形」の顔を描く体験や、伝統の織物「倉吉絣(くらよしがすり)」の機(はた)織り体験ができる施設もあります。一帯は映画『男はつらいよ』のロケ地にもなりました。
行き方
JR倉吉駅から路線バス(市内線・西倉吉方面行き)で約12分、「赤瓦・白壁土蔵」バス停で降りて歩いて約5分です。車の場合は、米子自動車道の湯原ICや蒜山ICから約40分です。
町並みの中には倉吉白壁土蔵群観光案内所があり、まち歩き用のパンフレットや観光ガイドを利用できます。
ヒント
- 表の本町通りと裏の玉川沿いを両方歩くと、町家と蔵の両方の姿を見比べられます。
- 打吹山を背景に赤瓦の屋根が並ぶ景色は、町並みの中の撮影スポットとして紹介されています。
- 車で15分ほどの所に関金(せきがね)温泉があり、温泉とあわせて訪ねることもできます。
出典
更新日 2026年9月29日. 営業時間や料金は変わるため、出かける前に公式サイトで確認してください。