猿橋
Saruhashi Bridge
深い谷に橋脚を1本も立てず、両岸から木の梁を4段にせり出して架けた「日本三奇橋」のひとつ。広重も浮世絵に描いた、甲州街道の名所です。
サルがつながって渡った谷に架かる橋
猿橋(さるはし)は、山梨県大月市の桂川(かつらがわ)の峡谷に架かる木造の橋です。長さ30.9m、幅3.3m、水面からの高さは31mあります。岩国(山口県)の錦帯橋、木曽(長野県)の桟(かけはし)とともに「日本三奇橋(にほんさんききょう。珍しい構造で知られる3つの橋)」のひとつに数えられ、1932年に国の名勝に指定されました。
名前の由来には伝説があります。大月市によると、600年ごろ、百済(くだら。古代の朝鮮半島の国)から来た志羅呼(しらこ)という人が、サルたちが体をつなぎ合って谷を渡るのを見て、この橋を考え出したといわれています。
橋脚のない「刎橋」のしくみ
谷が深く、川の中に橋脚(きょうきゃく。橋を支える柱)を立てられないため、猿橋は「刎橋(はねばし)」という方法で造られています。両岸の崖に刎木(はねぎ)と呼ばれる木の梁を差し込み、4段に重ねて少しずつ前へせり出させ、その上に橋をのせる構造です。
今の橋は1984年に、1851年の記録をもとに架け替えられたものです。上流と下流には近代の橋が架かり、下流には国の重要文化財の「八ツ沢発電所一号水路橋」もあるので、時代の違う橋を見比べられます。
広重が描いた甲州街道の名所
猿橋は、江戸時代の主要な街道、甲州街道(こうしゅうかいどう)の途中にあり、昔から旅人に知られた名所でした。浮世絵師の歌川広重も、この地を訪れて「甲陽猿橋之図(こうようさるはしのず)」を描いています。
秋はカエデやイチョウ、ケヤキが色づき、山梨県の観光サイトでは11月中旬から12月上旬が見ごろとされています。葉が落ちた冬には、かつての富士山の噴火で流れてきた溶岩の跡が谷の岩肌に見えます。
行き方
JR中央線の猿橋駅から歩いて15〜20分です。車なら中央自動車道の大月IC(インターチェンジ)から約20分で、近くに駐車場があります。
ヒント
- 猿橋の見どころは、両岸から4段に重なってせり出す刎木です。橋の上を渡るだけでなく、周りから橋を横から眺めて、その構造を確かめてみましょう。
- すぐ近くの猿橋公園には展望台やあじさいの小道があり、あじさいは6月下旬が見ごろです。
- 橋のたもとにある小さなお宮「山王宮(さんのうぐう)」は、地元の言い伝えでは、橋のヒントになったサルを祀っているそうです。
出典
更新日 2026年9月30日. 営業時間や料金は変わるため、出かける前に公式サイトで確認してください。