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山梨県

山梨県は富士山の湖と、山々に囲まれた果樹栽培の盛んな盆地を併せ持ち、ワインや食べごたえのある麺料理、地域の歴史が旅を形づくります。

Mount Fuji and Lake Yamanaka viewed from Panorama-dai
Photo: hideki higano, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

山と湖、そして甲府盆地

山梨県は海に面していない内陸県ですが、その風景の個性の多くは水がもたらしています。県庁所在地を中心とする広い中央部、甲府盆地は山々に囲まれています。高地に降った雪や雨は地下に浸み込み、盆地を潤します。山々はまた、山梨に長い日照時間と昼夜の大きな寒暖差をもたらしており、これが果樹園やぶどう畑に適した条件となっています。

県の南東部には富士山がそびえ、その北麓に富士五湖が広がっています。山中湖、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖の五つです。湖畔の美術館や水上スポーツから静かな湖岸まで、それぞれの湖で山のそばでの過ごし方が異なります。甲府の北にある昇仙峡は、山梨の別の一面を見せてくれます。川沿いの遊歩道が花崗岩の断崖や大きな奇岩、滝のそばを通っています。山梨県は、富士山の眺め一つだけでなく、それ以上に見る価値のある県です。

甲斐の武将と甲府の工芸

山梨はかつて甲斐国と呼ばれていました。最もよく知られた歴史上の人物は、16世紀にこの地を治めた戦国武将、武田信玄です。その遺産は合戦の物語だけではありません。洪水に悩まされていた土地を守るために築かれた堤防「信玄堤」とも結びつけられています。甲府では、「信玄公」の名を冠した信玄公祭りで、武者の姿に扮した参加者の行列によってその歴史が今も目に見える形で受け継がれています。

地域の工芸は、戦とは異なる物語を伝えています。甲府の宝飾品づくりは、この地域での水晶の採掘と石の加工の歴史から発展しました。山梨ジュエリーミュージアムでは、地元の水晶鉱床が衰えた後もそうした技術がどのように受け継がれたのかを解説しています。また、柔らかな鹿革を漆で装飾する革工芸の伝統、甲州印伝にも出会えるでしょう。こうした品々は、県のよく知られた農業の物語を補ってくれる存在です。山梨は長い間、作物を育てるだけでなく、手でものを作ってきた土地でもあるのです。

盆地が食卓にもたらすもの

桃とぶどうは山梨と深く結びついており、果樹園は甲府周辺の風景の一部となっています。県のワイン造りの歴史は1870年頃にまでさかのぼります。日本で古くから栽培されてきたぶどう品種「甲州」は白ワインに使われます。ぶどう畑やワイナリーは、盆地を訪れる旅に、富士の湖への旅とはまったく異なるリズムを与えてくれます。山の水は、日本の米から造る醸造酒である日本酒の生産も支えています。

食事には、ほうとうを探してみてください。幅広の小麦麺を野菜と一緒に味噌仕立ての汁で煮込んだ料理です。味噌は大豆を発酵させた調味料で、かぼちゃは鍋によく入れられる具材です。ほうとうは飲食店だけでなく家庭でも作られるため、決まった一つの形があるわけではありません。もう一つの地元の甘味が信玄餅です。柔らかな餅に、きな粉(大豆を炒って挽いた粉)と黒蜜(黒砂糖のシロップ)をかけていただきます。信玄の名を、戦場ではなく菓子店へと運んでいる一品です。

季節で変わる景色

春には桜や果樹の花が咲き、信玄公祭りでは甲府の街がその歴史を祝う公の祭りに包まれます。夏には果物狩りが旅の大きな楽しみとなり、湖では多くの人が水上に繰り出します。山梨側から始まる富士山の登山道、吉田ルートは夏が登山シーズンです。登山をしなくても、湖から富士山を楽しむこともできます。

秋はぶどうの収穫と紅葉の季節です。昇仙峡は特に紅葉と結びつけられていますが、川沿いの散策はどの季節にも異なる趣があります。冬には、雪をかぶった富士山の眺め、温泉と呼ばれる温かい湯の風呂、そしてほうとうのような体の温まる料理に目が向きます。山梨には盆地、山あいの谷、湖畔がすべて収まっているため、季節を選ぶことは、その風景のどの部分で過ごしたいかを選ぶことでもあります。

アクセスとエリア間の移動

東京からは、多くの旅行者が新宿を起点にします。JR中央線の列車が甲府に停車するため、甲府は盆地やその食、近くの昇仙峡を巡る実用的な拠点になります。甲府駅から昇仙峡へはバスも出ています。高速バスも、首都から山梨へ向かうもう一つの手段です。

富士五湖へは、中央線で大月まで行き、富士急行線に乗り換えて河口湖へ向かうか、新宿から高速バスで移動します。河口湖駅からは路線バスが湖畔の見どころや他の湖を結んでいます。山中湖へは富士山駅からのアクセスが便利です。甲府と河口湖はそれぞれ別の出発点なので、最も巡りたいエリアに合ったほうを選びましょう。定番の観光ルートの多くはバスで回れますが、主要駅から離れた場所には車のほうが柔軟に動けます。

出典