旅のトラブル対策

急な病気・けがのとき

救急車の呼び方、迷ったときの相談窓口、外国語が通じる病院の探し方と支払いの注意点をまとめました。

緊急時は110(警察)または119(消防・救急)へ。

まずやること

  1. 意識がない、息が苦しい、激しい痛み、大量の出血などがあれば、すぐ119に電話します。
  2. 119では、まず「救急です」と伝え、次に今いる場所の住所か目印を伝えます。
  3. 周りに日本語を話せる人がいれば、電話を手伝ってもらいます。
  4. 救急車を呼ぶか迷ったら、救急の電話相談(実施地域のみ)やアプリ「Q助」で緊急度を確かめます。
  5. 急ぎでなければ、外国語に対応した医療機関を探し、できれば事前に電話してから行きます。

すぐに救急車を呼ぶべき症状

総務省消防庁の「救急車利用ガイド」は、日本では緊急の病気やけがのとき、誰でも救急車を利用できるとしています。次のような症状があれば、ためらわずに119に電話してください。

大人の場合は、たとえば顔の半分が動きにくい・しびれる、ろれつが回らない、突然の激しい頭痛、突然の激しい胸や背中の痛み、急な息切れや呼吸困難、胸が締め付けられる痛みが2〜3分続く、突然の激しい腹痛、血を吐く、意識がない・もうろうとしている、けいれんが止まらない、大量の出血を伴うけが、広い範囲のやけど、強い衝撃を受けた交通事故、高いところからの転落、おぼれた、といった場合です。

15歳以下の子どもでは、くちびるが紫色、呼吸が弱い、激しい咳やゼーゼーして苦しそう、虫に刺されて全身にじんましんが出て顔色が悪くなった、などが挙げられています。生まれて3か月未満の赤ちゃんの様子がおかしいときも、すぐに119番です。そのほか、いつもと違う、様子がおかしいと感じたときも同じです。

日本の夏は湿度が高く、35℃を超えることもあります。自分で水が飲めない、力が入らず動けないといった熱中症の症状があるときも、迷わず救急車を呼んでください。

119のかけ方

119は、携帯電話、固定電話、公衆電話からかけられます。電話がつながると、指令員(消防のオペレーター)が「火事ですか、救急ですか」と聞きます。落ち着いて、ゆっくり答えてください。

伝える順番は、①「救急です」、②救急車に来てほしい住所(分からなければ、近くの建物や交差点などの目印)、③誰が、いつから、どのように具合が悪いか、④具合の悪い人の年齢(分からなければおおよそ)、⑤あなたの名前と、通報後も連絡がつく電話番号、です。緊急性が高いときは、すべてを聞き終える前に救急車が出動します。

救急車を待つ間に、パスポート、病院で払う現金やクレジットカード、ふだん飲んでいる薬を用意しておくと便利です。人手があれば、救急車が来そうな場所まで迎えに出てもらうと、早く到着できます。救急隊には、具合が悪くなった状況、到着までの変化、いちばんつらい症状、持病、飲んでいる薬を伝えます。運ばれる病院は自分では選べません。

救急車を呼ぶか迷ったら:電話相談と「Q助」

「救急安心センター事業」は、救急車を呼んだほうがよいか、今すぐ病院に行ったほうがよいかなど判断に迷ったときの電話相談窓口です。医師・看護師・救急救命士などが話を聞き、緊急性が高ければ119番につなぐなどの対応をします。緊急でなければ、受診できる医療機関や受診のタイミングを教えてくれます。ただし、実施しているのは一部の地域です。番号と実施地域は総務省消防庁の公式サイトで確認してください。

総務省消防庁の全国版救急受診アプリ「Q助」(きゅーすけ)は、画面で症状を選んでいくと、「今すぐ救急車を呼びましょう」など緊急度に応じた対応が表示されます。緊急度が高いと、アプリから119番に電話できます。スマートフォン版とウェブ版があります。

外国語が通じる医療機関を探す

日本政府観光局(JNTO)のウェブサイト「具合が悪くなったときに役立つガイド」では、地域、対応言語、診療科、使えるクレジットカードで医療機関を検索できます。都道府県が選んだ、外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関や、外国人患者の受け入れ体制を第三者が評価する認証「JMIP」を取った医療機関も分かります。外国語に対応できる医療機関は限られるので、できれば行く前に電話で確認してください。

24時間対応の「Japan Visitor Hotline」でも、外国語で受診できる医療機関を紹介してもらえます。ただし、原則として三者間の通訳や予約の代行はしていません。

どこへ行くかは、時間帯と緊急度で変わります。命に関わる緊急時は、365日24時間患者を受け入れる救急病院です。医師に診てほしいときは、診療時間内ならクリニックや総合病院、時間外なら地域の夜間診療窓口を使います。症状がどの診療科か分からないときは、JNTOのガイドに症状と診療科の対応表があります。

病院での流れ、支払い、薬局

病院では、受付、問診票の記入、医師の診察と処置、会計の順に進みます。医療のしくみは国によって違うので、受付でおおよその費用を先に聞いておくと安心です。大きな病院ではクレジットカードが使えますが、クリニックでは現金払いが一般的です。薬代は、処方箋を持って行った薬局で別に払います。

医師に診てもらうほどではないときは、近くの薬局やドラッグストアで薬を買えます。必要なら薬剤師や登録販売者に相談してください。薬剤師がいないと買えない種類の薬もあります。JNTOのガイドからは、薬局などで買える薬を英語で検索できるページにも進めます。

旅行保険に入っておく

海外旅行保険に入っていないと、医療費を全額自己負担することになる可能性があります。JNTOのガイドには、自転車との衝突で手術・入院し帰国した例で750万円、心筋梗塞で手術・入院し帰国した例で1,000万円かかった事例が紹介されています。キャッシュレスで受診できる保険なら、病院の窓口で払う必要はありません。条件は保険会社によって違うので、事前に確認してください。

JNTOによると、日本に入国した後でもオンラインで加入できる民間の医療保険があります。また、医療費を払わなかった経歴がある外国人旅行者は、その後の日本への入国を拒否される可能性があります。

ヒント

  • 「救急車を呼んでください。」と書いた画面やメモを用意し、周りの人に見せられるようにしておきましょう。
  • 持病やふだん飲んでいる薬をメモにまとめておくと、救急隊に伝えやすくなります。JNTOのガイドには記入用のシートもあります。
  • クリニックは現金払いが一般的です。ある程度の現金を持っておきましょう。
  • アプリ「Q助」は、具合が悪くなる前にスマートフォンに入れておきましょう。

出典

確認日: 2026年9月29日