旅の基本

マナー早見表

温泉、神社、電車、飲食店など、場面ごとに「こうするとスマート」と「これは避けたい」を理由つきでまとめました。

日本の人にとって当たり前のマナーでも、文化や習慣が違う旅行者には当たり前ではありません。観光客が作法を完璧に知っていることは期待されていないので、迷ったらまわりの人の様子を見るか、スタッフに聞けば大丈夫です。ただし、条例や法律で決まっているルール(路上喫煙、ドローンなど)は「知らなかった」では済まないので、先に押さえておきましょう。

温泉・銭湯

大きなお風呂はみんなで使う場所なので、「お湯をきれいに保つ」ことがすべてのルールの基本です。

  • ○ 湯船に入る前に、かけ湯をして体を洗います。
    みんなが入る湯船をきれいに保つためです。かけ湯には熱いお湯に体を慣らす意味もあります。
  • ○ 服はすべて脱いで入ります。水着や下着は着けません。
    男女別の大浴場は裸で入るのが決まりです。水着が必要なのは一部の混浴や施設だけです。
  • × タオルを湯船に入れないでください。
    お湯を清潔に保つためです。タオルは湯船の外に置くか、頭にのせます。
  • ○ 髪が長い人は、まとめてから湯船に入ります。
    髪がお湯につかると、他の人が不快に感じるためです。
  • × 浴室や脱衣所で写真を撮らないでください。
    裸の人がいる場所なので、プライバシーの侵害になります。
  • ○ タトゥーがある場合は、事前に施設へ確認します。
    入浴を断る施設もあれば、シールで隠せばよい施設や、貸切風呂を案内する施設もあり、対応はさまざまです。
  • × お酒をたくさん飲んだ後の入浴は避けてください。
    事故のもとになるため、日本温泉協会や観光庁も控えるよう呼びかけています。
  • ○ 脱衣所に戻る前に、体をタオルでよくふきます。
    脱衣所の床がぬれると、次の人が不快で、すべりやすくもなるためです。
  • × 熱いからといって、勝手に水を足さないでください。
    銭湯では、一緒に入っている人にひと声かけてから水を入れるのがマナーです。

神社・お寺

神社やお寺は観光地である前に、今も人が祈りに来る場所です。細かい作法より、敬意を持つ気持ちが大切です。

  • ○ 神社では、お参りの前に手水舎(てみずや)で手と口を清めます。
    参拝の前に心身を清めることが、昔から大切にされてきた作法だからです。
  • × 手水の柄杓(ひしゃく)に直接口をつけないでください。
    左の手のひらに水をためて口をすすぐのが正しい作法です。
  • ○ 神社の拝殿では「二拝・二拍手・一拝」でお参りします。
    全国の神社の基本の作法です。ただし独自の作法がある神社では、その神社のやり方に従います。
  • × お寺では手をたたかないでください。
    拍手は神社の作法です。お寺では拍手をせず、腰から一礼します。
  • ○ 参道の真ん中は、できれば避けて歩きます。
    真ん中は「神さまの通り道」とされるためです。厳格な決まりではないので、混雑時は無理をしなくて大丈夫です。
  • × 門や建物の敷居を踏まないでください。
    敷居を踏むのは失礼とされるためです。またいで通ります。
  • × 儀式の最中や、お祈りしている人を撮影しないでください。
    祈りの場を邪魔することになるためです。
  • × 建物や文化財に落書きをしたり、傷をつけたりしないでください。
    取り返しのつかない損害になり、罰則や罰金の対象になる場合もあります。
  • ○ 服装は控えめなものを選びます。
    露出の多い服を不快に感じる人もいるためです。

電車・バス

通勤や通学で毎日使う人が多い乗り物なので、「静かに」「場所をとらない」がポイントです。

  • ○ スマートフォンはマナーモードにして、車内での通話は控えます。
    声の大きさに関係なく、電車やバスでの通話は嫌がられることが多いためです。
  • × 大きな声で話したり、はしゃいだりしないでください。
    鉄道利用者へのアンケートで、訪日客の迷惑行為として最も多く挙げられた行動です。
  • ○ ホームではドアの横に並び、降りる人を先に通します。
    乗り降りがスムーズになり、遅れも防げるためです。
  • × ドアの前で立ち止まったままにしないでください。
    混雑時は乗り降りのじゃまになり、電車の遅れにもつながります。
  • ○ 座るときは席を詰め、足を広げたり伸ばしたりしないようにします。
    「座席の座り方」は、鉄道の迷惑行為アンケートで毎年上位に入る項目です。
  • ○ 優先席は、お年寄り、妊娠中の人、体の不自由な人に譲ります。
    必要な人が座れるように設けられた席だからです。
  • ○ 大きな荷物は預けるか配送し、朝夕のラッシュ時の移動は避けます。
    混雑する車内で大きな荷物は周りの負担になるためです。コインロッカーや荷物配送サービスが便利です。
  • ○ かぜの症状があるときは、混雑した車内ではマスクをするなど、せきやくしゃみに気をつけます。
    周りに配慮しないせきやくしゃみは、駅と電車内の迷惑行為アンケートで1位でした。
  • ○ バスは乗る扉と支払いのタイミングを確認してから乗ります。
    前から乗って先に払う路線と、後ろから乗って降りるときに払う路線があるなど、地域や路線で違うためです。

飲食店

日本の飲食店は、決まった手順で効率よく回すことを大切にしています。仕組みを知っておくと、ぐっと気楽になります。

  • × チップは置かなくて大丈夫です。
    日本にはチップの習慣がありません。
  • ○ 居酒屋では「お通し」が出てくることを知っておきます。
    席に着くと自動的に出てくる有料の小皿料理で、席料のような役割があります。
  • × 外で買った飲み物や食べ物を店に持ち込まないでください。
    お店で出すものをいただくのがマナーだからです。
  • ○ 予約した時間は守ります。
    席や料理を準備して待っているお店が多いためです。
  • ○ 店員さんを呼ぶときは、呼び出しボタンを押すか「すみません」と声をかけます。
    日本の飲食店では、店員が何度もテーブルに様子を見に来ないのが普通だからです。
  • ○ アレルギーや食べられないものは、なるべく早めに伝えます。
    メニューの変更に応じない店もありますが、アレルギーなら対応を考えてくれることが多いためです。
  • ○ 麺類はすすって食べても大丈夫です。
    音を立ててすするのは一般的な食べ方です。無理にすする必要もありません。
  • ○ 寿司は、しょうゆをご飯ではなくネタ(上の魚)につけます。
    高級店ではこうした作法が重視されます。回転寿司などではもっと気楽で大丈夫です。
  • ○ 食べる前は「いただきます」、食べ終わったら「ごちそうさまでした」と言います。
    食事への感謝を表す、日本の食卓の基本のあいさつです。

旅館・家に上がるとき

旅館や日本の家は、玄関で靴を脱ぐ文化が基本です。宿ごとにルールが違うので、迷ったら遠慮なくスタッフに聞きましょう。

  • ○ 玄関で靴を脱ぎ、靴箱に入れるか、端にそろえて置きます。
    畳の上に座ったり寝たりしてきた生活から生まれた習慣です。
  • × 畳の上をスリッパのまま歩かないでください。
    畳の部屋ではスリッパを脱ぐのが習慣です。
  • ○ トイレでは、備え付けのトイレ用スリッパに履き替えます。
    多くの家や旅館では、トイレ専用のスリッパが用意されています。
  • ○ 浴衣やスリッパで館外に出てよいかは、宿に確認します。
    浴衣のまま外出してよい宿もあれば、館内だけの宿もあるためです。
  • ○ 夕食や朝食の時間は、チェックイン時に伝えた時間を守ります。
    旅館の食事は、地元の旬の食材を使って時間に合わせて準備されることが多いためです。
  • ○ 門限があるかどうかを確認しておきます。
    深夜は出入りできなくなる旅館も多いためです。
  • ○ 夜は静かに過ごします。
    周りの宿泊客や近所の人が休んでいる時間だからです。

街なか(歩きたばこ、ゴミ、エスカレーター、列 など)

街なかのルールには、ただのマナーだけでなく、条例で決まっていて罰金(過料)があるものも含まれます。

  • × 歩きながらたばこを吸わないでください。吸い殻のポイ捨ても禁止です。
    路上喫煙を条例で禁止し、過料を取る区域を設けている自治体があります。たばこは指定の喫煙所で吸います。
  • ○ ゴミはゴミ箱に捨てるか、ゴミ箱がなければ持ち帰ります。
    街なかにはゴミ箱が少なく、持ち帰るのが一般的だからです。
  • ○ 缶やペットボトルは、分別して捨てます。
    リサイクルのために、種類ごとに捨てる場所が分かれています。
  • ○ エスカレーターでは歩かず、立ち止まって手すりにつかまります。
    転倒や衝突の事故を防ぐため、全国の鉄道会社が呼びかけています。埼玉県のように条例で定めている自治体もあります。
  • × 列に割り込まないでください。
    駅や店では、順番に並ぶのが当たり前とされています。
  • × 人通りの多い場所で、立ち止まったり食べ歩きをしたりしないでください。
    通行のじゃまになるためです。食べるときは人の流れから少し離れます。
  • × 外で食べ物を食べた手で、お店の商品に触らないでください。
    商品が汚れてしまうためです。
  • × 歩きながらスマートフォンを操作しないでください。
    人にぶつかりやすく、駅のホームでは特に危険だからです。

写真撮影(寺社、舞妓、私有地、ドローン など)

写真は旅の楽しみですが、撮られる人や、そこで暮らす人のことを考えるのが大前提です。

  • × 人を無断で撮影しないでください。着物姿の人も同じです。
    許可なく写真を撮られるのを嫌がる人が多いためです。撮影用のイベントなどは例外です。
  • × 京都などで、舞妓さんや芸妓さんを呼び止めたり、勝手に撮影したりしないでください。
    仕事に向かう途中の人たちです。京都市と京都市観光協会もやめるよう呼びかけています。
  • × 私有地や線路、農地に入って撮影しないでください。
    そこで暮らしたり働いたりしている人の迷惑になり、線路は大きな危険もあります。
  • ○ 「撮影禁止」の表示がある場所では、撮影しません。
    寺社、店、美術館などでは、撮影できる場所とできない場所が表示されています。
  • ○ 撮影するときは周りを見て、人の流れをふさがないようにします。
    混雑した場所では、撮影のために立ち止まると通行のじゃまになるためです。
  • × 自撮り棒禁止の表示がある場所では、自撮り棒を使わないでください。
    混雑する観光地などでは、使用を禁止している場所があるためです。
  • ○ ドローンを飛ばす前に、日本の航空法のルールを確認します。
    100g以上の機体は航空法の対象で、人口集中地区の上空などでは国の許可が必要です。違反すると罰則があります。
  • ○ 私有地や人の多い場所でドローンを飛ばすときは、事前に許可を取ります。
    場所ごとに独自のルールがあるため、施設の管理者や交番に確認すると安心です。

出典

確認日: 2026年9月29日