厳美渓
Genbikei Gorge
エメラルドグリーンの流れが巨岩を削ってできた約2kmの渓谷。川の向こうからロープを伝って団子が「飛んでくる」名物の茶屋も楽しめます。
川が長い時間をかけて彫った渓谷
厳美渓(げんびけい)は、岩手県一関市にある渓谷で、国の名勝・天然記念物に指定されています。栗駒山(くりこまやま)から流れ下る磐井川(いわいがわ)が岩を削り、約2kmにわたって奇岩や巨岩、滝、深い淵が続く景色をつくりました。
見どころのひとつが「甌穴(おうけつ)」です。川の砂や小石が水の流れでくるくると回り、少しずつ岩を削ってできた丸い穴のことで、もとは水の中にあったものが、川底の浸食が進んで地表に現れました。
江戸時代にこの地を治めた仙台藩の藩主・伊達政宗(だてまさむね)は、「松島と厳美が我が領土の二大景勝地」とたたえたと伝えられています。
吊り橋と「空飛ぶだんご」
渓谷沿いには遊歩道があり、歩きながら景色を楽しめます。渓谷に架かる橋のうち、ただひとつの吊り橋が「御覧場橋(ごらんばばし)」です。上流側には荒々しい流れと巨岩、下流側には穏やかな淵と、対照的な景色が見られます。春には、伊達政宗が自ら植えたと伝わる「貞山桜(ていざんざくら)」が咲きます。
厳美渓の名物が、明治40年(1907年)創業の郭公屋(かっこうや)の「郭公だんご」です。店は川の向こう岸にあり、こちら側の東屋(あずまや:休憩用の小屋)で、ロープにつるされた籠にお金を入れて木槌で板をたたくと、籠が店まで引き上げられます。しばらくすると、団子とお茶が籠に入って川の上を渡って戻ってきます。団子は黒ごま・あんこ・しょうゆの3種類です。
行き方と季節
JR一ノ関駅から車で約20分、東北自動車道の一関インターチェンジから車で約8分です。世界遺産の中尊寺や毛越寺(もうつうじ)がある平泉へも車で約15分なので、あわせて回りやすい場所です。近くには市営駐車場や「道の駅厳美渓」があります。
春は桜と雪どけ水、夏は涼しい渓流、秋は紅葉、冬は水墨画のような景色と、季節ごとに表情が変わります。
ヒント
- 空飛ぶだんごは、人数分のお金を籠に入れて注文します。営業時間は変わることがあるので、出かける前に確認しましょう。
- 御覧場橋は吊り橋なので、歩くと揺れます。橋の上から上流と下流の両方を見比べてみてください。
- 少し離れた場所にある猊鼻渓(げいびけい)は舟下りで楽しむ渓谷で、歩いて眺める厳美渓とは楽しみ方が違います。
出典
更新日 2026年9月29日. 営業時間や料金は変わるため、出かける前に公式サイトで確認してください。