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熊本県

熊本県は、人の手で守られてきた阿蘇の火山草原と天草の島々の海岸を併せ持ち、その間に城の歴史と個性ある郷土の味があります。

A torii gate at Heitate Jingu Shrine
Photo: Siwamura, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

阿蘇:火山と、人の手が入った風景

熊本県は活火山があることから「火の国」として知られています。広大なカルデラの中には村や農地があり、活動中の中岳火口は、この風景が今も変わり続けていることを思い出させます。周囲の斜面には開けた草原が広がり、草を食む牛や雄大な山の眺めが続きます。手つかずの田園のように見えるかもしれませんが、人々が何世代にもわたってこの草原を守り続けてきたのです。

毎年早春、地域の人々は「野焼き」を行います。これは枯れた草を焼き払い、新しい草が再び生えるのを助けるための管理された火入れです。人々は草刈りや放牧も行っており、こうした作業がなければ、草原を長く維持することはできません。阿蘇をもっと気軽に知るなら、草千里ヶ浜の草原と、この地域の温泉(onsen:温かい湧き湯)が、火山とともにある暮らしのまったく異なる二つの面を見せてくれます。活火口付近への立ち入りは変わることがあるので、出かける前に現地の規制を確認しましょう。

城と、それを取り巻く街

熊本市は単なる乗り換え地点ではありません。加藤清正は熊本城の築城に力を尽くしました。近くの水前寺成趣園は、要塞ではなく散策のために造られた庭園として、この街の歴史をより静かな視点から見せてくれます。

2016年の地震は熊本城に大きな被害をもたらしました。修復された天守閣は訪れる人を迎えていますが、ほかの場所では修復が続いています。そのため熊本城は、昔の技術と現在の手入れの両方に目を向ける場所になっています。一部は見学でき、ほかの部分はまだ工事中です。春には桜が人々を城内に呼び寄せます。それ以外の時期も、城とその周辺を歩くことは、県内各地へ出かける前にこの街を理解し始めるよい方法です。

天草:異なる歴史を持つ島々

山々から西へ向かうと、熊本は性格を変えます。天草は120以上の島々からなる諸島です。漁村、砂浜、船での遊覧が、この海辺の熊本を形づくっています。魚介は訪れる楽しみの一つで、ウニは地元の名物です。島々の周りの海には野生のイルカも暮らしています。

天草の教会や博物館は、より厳しい物語を伝えています。日本でキリスト教が禁じられていた時代、この島々はキリスト教の重要な中心地となりました。1637〜38年の島原の乱の後も迫害は続きましたが、キリスト教徒の共同体は生き延びました。内部の一部に畳が敷かれた﨑津教会は、その歴史を漁村の日常生活と結びつけています。畳とは、伝統的な和室で使われる編んだ床の敷物のことです。島々は、海の眺めだけでなくその歴史にも時間をかけて、ゆっくり訪れる価値があります。

熊本が作るもの、食べるもの

阿蘇と天草の距離は、食卓にも表れます。阿蘇で「あか牛」といえば褐毛和種の牛のことで、その肉は比較的赤身が多いことで知られています。熊本では、甘くてジューシーなデコポンなどの柑橘類も栽培されています。海の近くでは魚介が主役になります。食事を選ぶときのよい手がかりで、地元のメニューは多くの場合、自分が牧草地にいるのか水辺にいるのかを反映しています。

市内では辛子れんこんを試してみてください。れんこんに辛子と味噌を混ぜたものを詰め、衣をつけて揚げたものです。味噌は発酵させた大豆のペーストで、辛子がこの料理にぴりっとした辛さを加えています。甘いものなら、いきなり団子は、さつまいもと甘いあんこを包んだ蒸し団子です。熊本の工芸品も、その歴史を持ち帰るもう一つの方法です。天草では古くから陶磁器が作られており、肥後象嵌はかつて武具の装飾に使われた、金や銀をはめ込む金工技法です。

地元の人が大切にする季節

春には印象的な光景が二つあります。熊本城周辺の花見と、野焼き直後の黒々とした阿蘇の斜面です。斜面は季節が進むにつれて再び緑に戻ります。夏には山鹿灯籠まつりが行われます。女性たちが軽い金色の灯籠を頭に載せて輪になって踊ります。灯籠は伝統的な和紙で作られています。これは踊りであると同時に、地元の工芸を祝う祭りでもあります。

秋には紅葉が温泉に浸かる楽しみをいっそう引き立て、県の季節の味として柑橘が出回り始めます。冬には温泉と体の温まる料理が、ゆっくり過ごす理由を与えてくれます。熊本は一年を通じて訪れる価値がありますが、季節によって草原で目にするものや、その巡り方が変わります。

アクセスと巡り方

熊本駅が鉄道の主な玄関口です。日本の高速鉄道である新幹線が、北の福岡、南の鹿児島と熊本を結んでいます。熊本空港も到着地点の一つです。市内からは在来線やバスで県内の各地へ向かえます。

阿蘇へは熊本から在来線でカルデラ方面へ行けますが、見どころは点在しておりバスの本数も限られています。広く周遊するなら車が便利です。天草へは車、バス、フェリーで行けますが、島々に着いてからはバスの本数が少ないので車が役立ちます。熊本を短時間の立ち寄り先として扱うのではなく、火山の内陸部、島々の海岸、その間の街のどれにより時間をかけたいかを選びましょう。

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