九州・沖縄 地方

長崎県

長崎県は、島々の海岸線と、交易・信仰・平和によって形づくられた港町の歴史を併せ持っています。その食と祭りには、今もそうしたつながりが息づいています。

Capybaras in a pond beside an islet with capuchin monkeys at Nagasaki Bio Park
Photo: STA3816, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

海が描いた県

長崎県は九州の西側にありますが、その地図はまず海に目を向けるとよく理解できます。半島が海へと伸び、1,400以上の島々がこの県に属しています。この地形が、場所ごとに異なる個性を与えています。長崎市は港を囲む丘を這い上がるように広がり、佐世保は小さな島々がひしめく九十九島に面し、さらに西には、砂浜や漁村、教会のある五島列島があります。

内陸で対照的なのが島原半島の雲仙です。温泉街の近くでは火山の噴気孔から白い蒸気が立ちのぼり、周囲の山々は一年を通じて大きく表情を変えます。一方、壱岐と対馬も長崎県に属していますが、多くの旅行者は福岡から向かいます。これらの場所すべてを長崎市からの寄り道として見ようとすると、本質を見失います。海を渡ることや、長く続く海岸線そのものが、長崎という県の一部なのです。

交易、潜伏した信仰、そして平和への誓い

何世紀にもわたり、長崎の港はアジアやヨーロッパの各地から来る人々や物資と日本を結んできました。海外との接触が厳しく制限された江戸時代にも、長崎は公認の外国貿易の拠点であり続けました。その歴史は長崎市のかつての交易地・出島や洋風建築に見ることができますが、市内だけにとどまりません。食べ物や工芸、祭りの演し物にも、そうした交流の名残が残っています。

物語のもう一つの側面は、より静かに訪れるべきものです。キリスト教が禁じられていた時代、五島列島の信者たちは共同体の中で祈りを受け継ぎながら、ひそかに信仰を守り続けました。後にそこに建てられた教会はその歴史を今に伝えており、関連する場所の一部は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産に登録されています。これらは単なる歴史的建造物ではなく祈りの場ですので、訪れる人はそこで祈る人々に敬意を払う必要があります。

1945年8月9日、長崎市は原子爆弾によって壊滅的な被害を受けました。平和公園と原爆資料館は、その攻撃とその後を伝えています。市が毎年行う追悼行事では、核兵器のない世界を求める訴えも続けられています。

港が食卓にもたらしたもの

まずはちゃんぽんから。麺、野菜、豚肉、魚介を濃厚なスープで仕上げた長崎の一杯です。地元の中華料理店が、中国人留学生のための栄養のある食事として考案しました。特別な日だけの料理ではなく、この町の交流の歴史を日常的に味わえる方法です。柔らかなスポンジケーキ、カステラは、交易の物語のまた別の一面を伝えています。長崎を通じて入ってきた砂糖が、この町の菓子文化の確立を後押ししたのです。

旅をするにつれて食べ物も変わります。五島列島では、細くてコシのある小麦の麺の名物、五島うどんが作られています。漁場に囲まれたこの県では、どこの食卓にも魚介が並びます。佐世保では、1950年代のアメリカ海軍にゆかりのあるレシピから、ご当地バーガーの伝統が育ちました。食べ物以外のお土産なら、波佐見で作られる磁器、波佐見焼に注目してみてください。その長い歴史には、日常使いの食器だけでなく、かつて日本の酒や醤油をヨーロッパへ輸出するのに使われた瓶も含まれています。

季節にはそれぞれの音がある

春には雲仙の山々にツツジが咲き、夏には島々や海、ボートレースへと関心が移ります。秋には長崎市で、諏訪神社の年に一度の祭り「くんち」が行われます。町内ごとのグループが、中国の影響を受けた龍踊りや山車などを含む、踊りや手の込んだ演し物を披露します。また、店や家々の前で短い演し物を披露して回り、福を分けます。観客が「モッテコーイ」と叫ぶのが聞こえたら、それはそのグループにアンコールを求めているのです。

冬には、この町の春節(旧正月)の伝統から生まれた長崎ランタンフェスティバルが、通りをランタンで埋め尽くします。雲仙では別の冬景色が見られ、山には霧氷がつき、温泉の近くでは湯気が立ちのぼります。こうした対比は、港の写真一枚にとどまらず考えてみるのにちょうどよい理由です。長崎の季節は、街の通り、火山の斜面、島の海辺で、それぞれ違ったかたちで体験されます。

たどり着いたら、方角を選ぶ

多くの旅行者は長崎空港から到着するか、福岡の博多駅から鉄道でやってきます。長崎市への鉄道の旅では、武雄温泉駅で在来線の特急列車から西九州新幹線への乗り換えがあります。博多から長崎への直通の新幹線はありません。市内では、主な観光地へ行くのに路面電車が便利です。雲仙など路面電車の路線網の外にある場所へはバスが役立ちます。

島々へ行くなら、まずどの島々を巡りたいかを決めましょう。長崎港からは五島列島の各地へ船が出ており、壱岐と対馬へは博多港から船が出ています。また、一部の島は長崎や福岡と空路でも結ばれています。五島列島では、島内に点在する場所へ行くにはレンタカーが便利ですが、島から島への移動は別途計画が必要です。旅程には、こうした地理を考慮したゆとりを持たせましょう。長崎市を中心とした旅と五島を中心とした旅は、同じ場所を巡らなくても、どちらも存分に長崎らしさを感じられるはずです。

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