中部 地方

静岡県

静岡県は、富士山や茶畑の広がる丘陵から、駿河湾、伊豆の温泉、浜松の湖畔の町々まで広がっています。

Mount Fuji reflected in Lake Tanuki in Shizuoka Prefecture
Photo: Alpsdake, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

山、湾、そして半島

富士山は静岡県で最もよく知られた名所ですが、それは風景の一部にすぎません。茶畑が丘陵や平野に広がり、川が山から流れ下り、海岸は駿河湾に面しています。静岡市の近くでは、三保松原の松林が海越しの富士山の眺めを縁取っています。日本の美術や詩歌にも登場してきた風景です。

伊豆半島はまた違った趣があります。海岸線は岩の岬や浜辺に沿って曲がりくねり、内陸には森に覆われた高原や滝、そしてお椀のような形をした大室山などの火山地形があります。熱海や伊東は温泉(温かい湧き湯)で知られています。西部では浜松が浜名湖の近くに位置し、湖、海、山が県内のこの地域に独自の個性を与えています。

古い街道と将軍

静岡は、現在の東京周辺と京都を結ぶ歴史的な街道、東海道沿いにありました。静岡市周辺では、丸子や宇津ノ谷がかつての宿場の名残をとどめています。静岡市はまた、将軍と呼ばれる武家の支配者、徳川家康とも深い関わりがあります。家康は少年時代の一部と晩年をここで過ごしました。駿府城公園や久能山東照宮は、訪れる前に物語のすべてを知らなくても、その歴史を目に見える形で伝えてくれます。

さらに西では、家康は浜松城に住んでいました。さらに東、伊豆半島の下田は、日本史の別の一章を伝えています。日本が長く続いた対外交流の限られた時代を終えようとしていた頃、マシュー・ペリー提督率いる船がそこに到着しました。了仙寺は、この港町で結ばれた条約とゆかりのある寺です。こうした場所があることで、静岡は大都市の間に広がる景色のよい土地という以上の存在に感じられます。

お茶、海の幸、そして日常の料理

お茶は飲み物であるだけでなく、静岡の働く風景の一部でもあります。県では何世紀にもわたって茶が栽培されてきました。県中部の牧之原周辺や丘陵地では、整然と並ぶ茶畑を見れば、一杯の緑茶とその産地とのつながりがよくわかります。静岡市ではお茶をジェラートなどのスイーツにもしています。

海はまったく異なる味わいをもたらします。駿河湾は小さなピンク色のエビ、桜えびと結びついており、県内各地の港にはマグロなどの魚が水揚げされます。伊豆では、煮付けや焼き物にされることの多い赤い魚、金目鯛を探してみてください。浜名湖はうなぎと深い関わりがあり、伊豆の内陸は山の水で育てられるわさびで知られています。

いかにも地元らしい気軽な食事なら、静岡おでんを試してみてください。さまざまな具材を黒っぽい汁で煮込んだもので、串に刺して出され、青のりと魚粉(粉末にした魚の調味料)をかけることがよくあります。特徴的な具材は黒はんぺんで、イワシやサバなどの魚から作られる色の濃い練り物です。浜松には野菜がたっぷり入った餃子があり、富士宮の焼きそば(炒めた麺)は、特にコシの強い麺とイワシの削り粉を使います。

町に根づいた風習

静岡の地域の伝統は、県内を移動するにつれて変わっていきます。静岡市では、おでんは単なる冬の飲食店の料理ではありません。地元の人々の話では、子どもの頃に駄菓子屋でおやつとして食べた思い出が語られ、夏でもおなじみの食べ物であり続けています。青葉おでん街や青葉横丁周辺の小さなおでん屋は、そうした日常の食文化に触れる機会を与えてくれます。

浜松では、春の祭りの主役は子どもたちです。子どもの名前を記した大凧が中田島砂丘の上空に揚がり、各チームが凧を揚げ続けようと競い合います。その後、飾り付けられた屋台が太鼓や笛の音とともに市内を練り歩きます。静かな茶産地とは対照的な賑やかさで、県全体を一つの風習だけで語ることはできないのだと気づかせてくれます。

一年の移ろい

春は桜、新茶、そして浜松の凧揚げ祭りの季節です。初夏には梅雨とともにアジサイやアヤメ(ハナショウブ)が咲き、その後は伊豆の海岸が海水浴などの海のレジャーの中心になります。どの季節を選ぶかによって、静岡のどの一面と主に過ごすかが変わってきます。

秋には山の木々が色づき、関心は内陸へと向かいますが、伊豆の海岸では9月まで暖かさが残ることもあります。冬には富士山が雪化粧した姿を見せ、県内の温泉街が特に魅力的になります。静岡は、一番よい時期が一つだけある一つの目的地としてではなく、季節ごとに異なる楽しみのあるいくつもの風景の集まりとして考えるとよいでしょう。

アクセスと現地での移動

東京と京都・大阪方面を結ぶ日本の高速鉄道路線、東海道新幹線が一般的な交通手段です。熱海は伊豆への便利な出発点で、ほかに三島、静岡市、浜松などにも停車します。在来線や長距離バスも選択肢となり、富士山静岡空港も玄関口の一つです。

到着後は、一つの路線ですべてに行けると考えず、地域ごとに交通手段を選びましょう。伊豆の東海岸には鉄道が走り、伊豆箱根鉄道が三島と修善寺を結んでいます。静岡や浜松にも地方鉄道があり、駅から先の場所へはバスが便利です。県中部をゆっくり旅するなら、大井川鐵道が川沿いの谷を通って茶産地へと進みます。海岸、丘陵、町々の間を移動する時間にも、計画に余裕を持たせておくとよいでしょう。

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