佐賀県
佐賀県はまったく性格の異なる二つの海に挟まれ、干潟や漁港、焼き物の町が、長い交流の歴史を物語っています。
二つの海岸と、一つの広い平野
佐賀県は九州の北西の角、福岡県と長崎県の間に位置しています。北には玄界灘、南には有明海があります。この単純な地図が、この県について多くのことを説明してくれます。唐津周辺の北岸には、砂浜や岩場の入り江、そして「虹の松原」と呼ばれる長いクロマツ林があります。さらに南へ行くと、土地は佐賀平野へと開け、やがて有明海の浅い海と広大な干潟に出会います。
南の海岸は潮の満ち引きによって大きく姿を変えます。鹿島では、潮が引くとムツゴロウが暮らす泥地が現れます。ここは一般的な海水浴場というより、眺めて楽しむ風景です。同じ海では、おにぎりによく巻かれる食用の海藻、海苔も育ちます。晩秋には、海苔の養殖網が景色の一部になります。二つの海岸の間では山々も天候に影響しており、県によれば山間部は北岸や南部の平野より雨が多いそうです。そのため、地図上の距離はさほどでなくても、佐賀を横断する旅はいくつもの風景を巡る旅のように感じられます。
古代の集落から磁器の窯へ
佐賀の歴史は城下町よりもずっと昔にさかのぼります。吉野ヶ里歴史公園では、弥生時代(初期の農耕社会が営まれた時代)の大規模な環濠集落の遺跡が、復元された住居や物見櫓とともに残っています。その間を歩くと、単なる考古学的な遺物の集まりではなく、防御施設や作業場、社会生活を備えた定住共同体の姿が感じられます。
その後、アジア大陸に近いことが佐賀の工芸を形づくりました。17世紀初め、朝鮮人の陶工が有田の泉山で磁器の原料となる土を見つけ、有田は日本の磁器の中心地となりました。焼き物の名前はややこしいことがあります。有田焼は有田とその周辺で作られるものですが、「伊万里」という名前は磁器が積み出された港にも由来しています。唐津焼はまた違った個性を持ち、頑丈な形と手描きの絵付けが、日常の器や茶碗によく合います。伊万里近くの大川内山では、鍋島家のかつての藩窯が、厳しく管理された環境のもとで有力な顧客のための磁器を作っていました。これらの場所をあわせて見ると、焼き物は一つのお土産のジャンルというより、それぞれ異なる地域の歴史の集まりのように感じられてきます。
大地と海が食卓にもたらすもの
佐賀の二つの海岸の対比は、食べ物にも表れています。北部の漁師町・呼子周辺では、イカの刺身(薄く切った生の魚介)が名物です。有明海側では佐賀海苔を探してみてください。この養殖海苔は香りと柔らかな食感で評価されています。竹崎カニも、この南の海岸を代表する味です。内陸では、霜降りの豊かな佐賀牛が、この県のまったく違った味わいを見せてくれます。
嬉野では、お茶と温泉料理が加わります。嬉野の緑茶はまろやかで香り高い味わいで知られ、茶畑が丘に独特の模様を描いています。町の名物「温泉湯豆腐」は、温泉の湯で煮た豆腐のことです。煮えるうちに豆腐は驚くほど柔らかくなり、煮汁は白く濁ります。温泉(onsen:温かい湧き湯のこと)の町にとりわけふさわしい料理で、ここでは湯が入浴にも地元の料理にも使われています。ここでは食べ物が風景を読み解く手がかりになります。北の魚介、南の海苔、内陸の産物が、それぞれ食卓に居場所を持っているのです。
泥、曳山、そして移り変わる季節
佐賀の祭りを見ると、地元の風景がいかに自然に人々の集う場になるかがわかります。唐津の秋の祭り「くんち」では、チームが14台の装飾された曳山(大きな祭りの山車)を町中で引き回します。そのデザインには生き物や武将の兜などがあり、この祭りは唐津神社にまつわる収穫祭から発展しました。一方、鹿島の「ガタリンピック」は、有明海の干潟にもっと気軽なかたちで向き合い、その泥を遊び心あふれる競技の舞台に変えます。たとえ参加しなくても、どちらの伝統も、人々が自分たちの佐賀の土地にどれほど強い愛着を持っているかを物語っています。
春には桜と有田の陶器市がやってきます。夏の梅雨の時期は見帰りの滝周辺のアジサイにぴったりで、北の海岸には人々が屋外へと繰り出します。秋は特ににぎやかで、唐津では曳山が町を進み、佐賀市近くの嘉瀬川のほとりには熱気球が集まり、内陸の庭園では木々が色づきます。冬は武雄や嬉野の温泉へと気分が移ります。どの季節も、泥の上に満ちてくる潮や陶工の作業台といった日常の風景に取って代わるものではありませんが、それぞれが旅人の出会い方を変えてくれます。
佐賀を巡るには
多くの旅行者は福岡経由で佐賀に入ります。博多は佐賀市や県内の各地へ向かう鉄道の出発点として便利で、JR筑肥線は福岡エリアと北岸の唐津を結んでいます。佐賀には独自の空港もあります。焼き物が目的なら、有田と伊万里はセットで回るのが自然です。古代史が目的なら、吉野ヶ里が佐賀市の中心部にあると思い込まず、別の立ち寄り先として計画しましょう。
主な町は鉄道で結ばれていますが、佐賀は一つのコンパクトな観光ルートではなく、いくつかのエリアの連なりとして考えるとよいでしょう。たとえば大川内山は伊万里の中心部から離れており、そこからさらに地元の交通機関で向かうことになります。車があれば、海岸の展望スポット、干潟の立ち寄り先、小さな窯元の集落をより自由に結べます。初めての訪問なら、拠点を一つか二つ選びましょう。たとえば平野と南の海岸には佐賀市、北部や焼き物に絞った旅には唐津か有田です。立ち寄り先の間にゆとりを持たせれば、佐賀の二つの海の違いそのものが旅の一部になります。
出典
- 佐賀県の紹介 / 佐賀県
- Saga | Kyushu | Destinations | Travel Japan - Japan National Tourism Organization (Official Site)
- WELCOME TO SAGA
- Yoshinogari Historical Park | Japan‘s Local Treasures | Travel Japan
- Treasure Hunting at Kouraku Kiln
- Okawachiyama Village | Travel Japan - Japan National Tourism Organization (Official Site)
- Karatsu | Saga Attractions | Travel Japan | JNTO
- Regards, Saga.
- 嬉野の温泉水でつくる「温泉湯どうふ」 | 記事 | 【公式】佐賀県観光サイト あそぼーさが
- Karatsu Kunchi Festival | Travel Japan - Japan National Tourism Organization (Official Site)
- Olympic Games only for the Kyushu region! Muddy sports meet filled with smiles