四国 地方

高知県

高知は弧を描く海岸で太平洋に面し、山の川、炙ったカツオ、にぎやかな集まりが、古くからの土佐の伝統を身近に保っています。

The entrances to Mikurodo and Shinmei caves on the coast
Photo: Reggaeman, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

山と太平洋が出会う場所

高知は四国の南側を占め、背後に山々、正面に太平洋を控えています。この地形が、どちらの方向に旅するかによってここでの一日がまったく違って感じられる理由を説明してくれます。室戸周辺の海岸は起伏が激しく、その地質の成り立ちが認められてユネスコ世界ジオパークに認定されています。さらに西へ行くと、景観は足摺岬に向かって開けていきます。高知市はこれらの海岸線の間に位置していますが、この県は県庁所在地だけにとどまるものではありません。

西部では、四万十川が山から海へ、木々に覆われた谷を縫うように流れています。「沈下橋」を探してみてください。洪水の水や流木が上を越えていけるよう、欄干を付けずに造られた低い橋です。これらは川沿いの集落を結ぶ実用的な道であり、単なる景勝地ではありません。川沿いをカヌーやサイクリングで巡ると、日々の暮らしや漁業と川がいかに密接に結びついているかを感じ取れます。

土佐の城と改革者たち

「土佐」は高知の旧国名で、今も地元の食べ物や工芸品、地名に登場します。高知市では、城がその昔の歴史を目に見える形にしています。天守と藩主の御殿(本丸御殿)の両方が現存しているのです。城の周辺からは、かつての藩の名残と現代の町のにぎやかな通りとを簡単に行き来できます。

何度も出会うことになる地元の人物のひとりが、1835年に土佐で生まれた坂本龍馬です。日本が幕府による統治の終わりに近づく中、彼は対立する政治勢力を結びつける手助けをしました。高知はまた、のちの自由民権運動の指導者である板垣退助のことも記憶しています。彼らの物語は、この県の歴史に対する誇りに独特の個性を与えています。それは武家の建物だけでなく、日本はどのように統治されるべきかという議論とも結びついているのです。

カツオ、柑橘、そして手仕事の品々

高知の代表的な料理は、カツオのたたきです。厚く切ったカツオの表面を炙り、中は生のまま残したものです。稲わらの火で炙ると、魚にスモーキーな風味が加わることがあります。地元では、にんにく、しょうが、玉ねぎを添え、柑橘をベースにしたたれであるポン酢か、少しの塩で食べることもあります。高知市のひろめ市場では、調理される様子を見ながら、一緒に食べるほかの料理を選ぶことができます。

高知城近くの日曜市も、地元の味を知るもうひとつの入口です。露店では農産物や軽食が売られており、野菜を使った田舎風の寿司である「田舎寿司」、しょうが、ゆずをはじめとする高知産の柑橘などが並びます。海岸から離れた四万十では、川魚、うなぎ、川エビを使った料理がメニューに並び、この流域ではお茶や栗も生産されています。持ち帰るものを探すなら、食べ物だけでなく、伝統的な手漉きの紙である土佐和紙や、手打ちの土佐刃物にも目を向けてみてください。

「おきゃく」への招待が意味するもの

標準語では「お客」はお客さんのことです。高知では、それが集まりそのもの、つまり結婚式や季節のお祝い、あるいはただ一緒に過ごすために開かれる宴会を意味することがあります。料理は「皿鉢(さわち)」から取り分けることが多く、これは魚介や寿司などの料理を盛り付けた大皿で、各自が好きに取って食べられるようになっています。この言葉は、おもてなしについての一般的な説明よりも、地元の習慣をよく言い表しています。

高知のもうひとつの紛れもない響きが「よさこい」です。この集団で踊る踊りの伝統はここで始まり、夏の祭りでは、衣装も振り付けもさまざまなチームが高知市を埋め尽くします。踊り手は手に持つ鳴子(拍子木のような鳴り物)を鳴らし、音楽は地元の民謡をもとにしています。もっと静かな訪問なら、長く続く日曜市が、同じ人なつこい町の別の一面を見せてくれます。城へと続く通り沿いで、住民が買い物をし、食べ、おしゃべりをしています。

川辺から街の通りまで、四つの季節

春には高知城に桜が咲き、四万十川のほとりには菜の花が咲きます。春には鯉の形の吹き流し(鯉のぼり)も川を横切るように掲げられ、水面の上に動きを添えます。6月の梅雨にもそれならではの色があり、県内各地にあじさいが咲きます。

夏は、川がカヌーやカヤックに誘い、高知市が通りをよさこいの踊りに明け渡す季節です。秋には、市の近くにある竹林寺を散策すると、色づくもみじを楽しめます。地元の祭りは収穫を祝うものへと移っていきます。太平洋側の冬は、日本の多くの地域よりもおおむね穏やかですが、どこも一様に暖かいわけではありません。朝は冷え込むことがあり、山間部では雪が降ることもあります。どの季節を選ぶかによって、景色も、計画したくなる一日の過ごし方も変わります。

到着と、市街地の外への探訪

多くの旅行者は高知龍馬空港に到着するか、岡山を経由して鉄道で移動し、そこで高知行きの列車に乗り換えます。高速バスで来る方法もあります。高知市に着いたら、中心部を移動するには路面電車が便利で、線路の外にある見どころへはバスで行けます。

県全体を巡るには、もう少し計画が必要です。ごめん・なはり線は東側の海岸沿いを奈半利へ向かって走り、西部の四万十エリアへは列車とその先のバスで行けます。点在する川の谷や海沿いの立ち寄り先を巡るならレンタカーのほうが自由がききます。公共交通機関を使う場合は、一度に県全体を横断しようとするより、ルート沿いのいくつかの場所を選ぶのがいちばんです。高知はそうしたゆっくりとした旅に応えてくれます。ある集落から次の集落へと、景観がどう変わっていくかに気づく余裕が生まれるのです。

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