東北 地方

宮城県

宮城は、太平洋沿いの漁師町や松島の松に覆われた島々から、米どころの平野、仙台の城の歴史、そして蔵王の山々まで広がっています。

Okama Crater Lake in the volcanic basin of Mount Zao
Photo: No machine-readable author provided. Geomr~commonswiki assumed (based on copyright claims)., CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

松島湾から西の山々へ

宮城は、東から西へ思い描くとわかりやすくなります。太平洋沿岸には漁師町や海産物の市場があり、内陸の仙台平野は米どころ、その向こうには蔵王、船形、栗駒の山々がそびえます。県庁所在地の仙台はそのほぼ中央にあります。ある日は海を眺め、別の日は山の森で過ごすこともできます。

松島湾には、松に覆われた200以上の小さな島々が点在しています。この湾は古くから日本三景(日本の三つの名勝)の一つに数えられてきました。遊覧船に乗ると、通り過ぎるにつれて島々の形が変わっていく様子がわかり、海沿いを歩けば寺院や隣の港町・塩竈を間近に感じられます。さらに北の宮城の三陸海岸は、現役の港と漁業の地域社会がつくる、また違った個性を持っています。反対に西へ向かえば、蔵王の火口湖「御釜」とそのふもとの温泉村が、この県の別の顔を見せてくれます。

伊達家の遺産と、記憶する海岸

仙台の歴史は、1601年にこの都市を本拠地として築いた武将、伊達政宗と深く結びついています。彼の事業には寺社のほか、宮城の稲作地の発展を助けた灌漑や治水工事も含まれていました。仙台城跡では、政宗の像がこの支配者を今に伝えています。三日月形の前立てを付けた彼の兜は、この地ではおなじみのイメージです。彼の霊廟である瑞鳳殿は、その遺産の華やかに装飾された一面を見せてくれます。

松島の瑞巌寺でも政宗に再会します。政宗は17世紀初めに、何世紀にもわたって人々が修行(瞑想)を行ってきた洞窟の近くに、一族の菩提寺として現在の建物を建てさせました。宮城の近年の歴史は、沿岸の地域社会に壊滅的な被害をもたらした2011年の地震と津波と切り離すことはできません。女川では、旧交番が津波の遺構として保存されています。ここは立ち止まり、海岸が単なる景色ではなく人々の暮らす場所であることを思い起こす場所です。

米、海の幸、そしてひとさじの緑

宮城の食卓は、農地と太平洋を結びつけています。平野で育った米が沿岸の港から届く海の幸と組み合わされ、マグロ、サケ、サンマ、カキなどがこの県を代表する水産物です。海鮮丼や寿司を食べれば、そのつながりを手軽に味わえます。仙台で最もよく知られた塩味の名物は牛たん、つまり味付けして焼いた牛の舌です。もう一つの地元産品である笹かまぼこは、笹の葉の形をした味付きの魚のすり身で、そのままでも焼いても出されます。

甘いものなら、ずんだを試してみてください。若い大豆(枝豆)をすりつぶし、砂糖と塩を混ぜたものです。おなじみなのはずんだ餅で、もちもちした餅の上に緑色のあんをのせます。地元の家庭で食べられるだけでなく和菓子店でも売られており、飲み物や他のデザートに使った新しいバリエーションも登場しています。ここでの食の伝統は、飲食店の料理だけではありません。秋になると、近所の人や友人たちが里芋と野菜の煮込み料理である芋煮を囲んで集まります。仙台の芋煮は豚肉と味噌を使うのが一般的で、川辺の集まりにはっきりとした地元の味わいを添えています。

紙の吹き流し、木の人形、そして巡る一年

8月、仙台では七夕を祝います。年に一度だけ会える二人の恋人の物語にもとづいた星の祭りです。長くカラフルな吹き流しが中心部の商店街に吊るされます。見間違えようのない姿をした街の風習ですが、宮城の伝統は小さな工房の中にも息づいています。鳴子では、職人たちがこけしをつくっています。こけしは手描きの木の人形で、東北地方の温泉地で子どものおもちゃとして始まりました。鳴子こけしは菊の模様が描かれていることで知られ、旅行者は職人の作業を見学できます。

季節はこうした場所に異なるリズムをもたらします。春には白石川沿いに桜が咲き、そこにある「一目千本桜」は「ひと目で千本の桜」という意味です。夏には海岸や仙台の祭りの通りに人々が集まります。秋には鳴子峡が紅葉し、芋煮会(芋煮の鍋を囲む集まり)が人々を川原へと誘います。冬の水辺はもっと静かで、カキが旬を迎え、蔵王の木々には雪が積もります。寒い山でのお出かけの後は、温泉(天然の温かいお風呂)がひときわありがたく感じられます。

仙台を出発点にする

ほとんどの旅行者は仙台を経由して訪れます。日本の高速鉄道路線である東北新幹線が仙台と東京を結び、仙台空港には国内線があり、市内への鉄道アクセスもあります。街の歴史と海岸を組み合わせたいなら、仙台は拠点として便利です。在来線が松島エリアを走り、仙石線は湾と瑞巌寺に近い松島海岸駅に停車します。

山へは、列車で蔵王方面へ向かい、その先はバスで奥へ進めます。仙台と松島を中心にした滞在なら、公共交通機関だけで簡単に回れます。ただし、宮城の田園地帯へ奥深く入るほど車の便利さが増します。特に山村と三陸海岸の各地を結んで巡りたい場合はなおさらです。県全体を一度の短い小旅行として扱うのではなく、どの風景の中で時間を過ごしたいかを決めておく価値があります。

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