四国 地方

香川県

香川は、瀬戸内海の島々に、古い巡礼の道、丁寧に作られた工芸品、そしてうどんへの並々ならぬ愛情を併せ持つ県です。

Stone torii with a sacred rope beside the steps at Takaya Shrine’s Main Shrine.
Photo: Dokudami, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

たくさんの島に面した海岸

香川は四国の北端を占め、面積では日本で最も小さい県です。県庁所在地の高松は瀬戸内海に面しており、島々がすぐ近くにあるため、フェリーでの小旅行は街での一日の自然な延長のように感じられます。小豆島にはオリーブ畑と岩の多い内陸部があり、直島は現代アートで知られています。ここでは海は単なる背景ではありません。何世紀にもわたって、人や物、そして考え方がその岸と岸の間を行き来してきました。

本土側では、栗林公園がこの土地の風景を読み解くもうひとつの方法を示してくれます。園路は池や形を整えた松のそばを通り、紫雲山が、庭園設計者の言う「借景」(本物の山を構成された眺めの中に取り込むこと)の役割を果たしています。この庭園は、19世紀に一般公開される前は高松藩の藩主のものでした。さらに西では、丸亀城の急勾配の石垣と現存する木造の天守が、香川の歴史の別の一面を語っています。

こんぴらさんへの道

「讃岐」は、現在香川と呼ばれている地域の旧国名です。うどんをはじめとする地元の伝統にこの名前が付いているのを目にするでしょうが、金刀比羅宮は、この地域の名前と評判がかつてどれほど遠くまで伝わっていたかを示しています。「こんぴらさん」と親しみを込めて呼ばれるこの神社は、海上の守護と結びついています。本宮にたどり着くには、琴平の店や飲食店の前を通りながら785段の石段を上ります。

江戸時代には庶民の旅が制限されていましたが、ここへの参拝は許されていました。行けない人々は、代わりに旅をする犬に祈りを託すこともありました。石段を上りながら思い出したい話です。今日のにぎやかな参道は、参拝を観光地の間の単なる立ち寄りではなく、大切な旅として扱ってきた何世代もの人々から生まれたのです。

うどんが大切な理由

香川で最も有名な料理は讃岐うどんです。弾力のあるコシが評価されている、太い小麦の麺です。地元の観光協会は、この伝統を小麦栽培に適した条件や、この地域で長く続いてきた塩、醤油、だしの材料の生産と結びつけています。まずは醤油だけをかけた一杯で麺そのものを味わい、それから別の店で違う食べ方を試してみてください。ここでうどんを食べることは、決定的な一杯を見つけることよりも、それぞれの店が同じおなじみの食べ物をどう扱うかを発見することなのです。

うどん以外にも楽しみはたくさんあります。骨付鳥は、味付けした鶏のもも肉を骨付きのまま出す料理です。小豆島では、オリーブ、細い小麦の麺である素麺、そして醤油が昔からの名産品です。島の「醤の郷」では、黒っぽい木造の建物と醸造の香りが、今も木桶(大きな木の樽)を使って醤油を発酵させている造り手の存在を物語っています。香川では、オリーブの葉を含む飼料でハマチ(ブリ)も育てています。こうした食べ物は、島々の農業と海の暮らしを、地図の上と同じくらい食卓の上でもはっきりと感じさせてくれます。

アート、うちわ、そして讃岐のおもてなし

直島の美術館や屋外作品は、アートの周りにある島そのものにも目を向けるよう訪れる人を誘います。本村地区では、「家プロジェクト」が古い家屋を、地区の歴史と結びついたアート作品に変えました。アートプロジェクトはほかの瀬戸内の島々にも広がり、住民がその場所のために作られた作品に参加しています。作品と作品の間にある集落や海岸線に目を向ける余裕を残しておいてください。

丸亀には、また別の手仕事の伝統があります。1本の竹を割いて持ち手と骨を作る平たい手持ちの扇、うちわです。うちわはかつて金刀比羅宮を訪れる参拝者のお土産で、職人たちは今もその技を実演しています。地元の言葉を少し知りたいなら、「おいでまい」を探してみてください。「おいでください」という讃岐弁のやさしい誘いの言葉で、香川産のお米の品種名に選ばれました。つまり、お米の袋が商品名とともに歓迎の気持ちも運んでいるのです。

海岸と庭園の移ろう色

春には栗林公園や丸亀城の周辺に桜が咲きます。夏には瀬戸内海の海水浴場に泳ぐ人々が集まり、栗林公園の池には花菖蒲、蓮、睡蓮が咲きます。庭園にたくさんある常緑の松は、こうした変化の中でも変わらない存在であり続けます。

秋は、本土と島の景色を見比べるのにとくによい季節です。栗林公園の池の周りや、小豆島の山がちな内陸部にある寒霞渓一帯で葉が色づきます。冬は海岸沿いではおおむね穏やかですが、寒霞渓では雪が降ることもあります。栗林公園では、春の桜が戻ってくる前に、椿や梅の花が彩りを添えます。香川の季節の景色はひとつではありません。同じ旅の中で、守られた庭園から開けた海岸線へ、そしてより涼しい峡谷へと移っていくことができます。

到着したら、海を渡る

鉄道でのよくある行き方は、新幹線(bullet train)で岡山まで行き、瀬戸大橋を渡って高松へ向かう列車に乗り換えるものです。飛行機は高松空港に到着します。高松は駅とフェリー乗り場が近いので、実用的な拠点になります。船が高松と直島、豊島、小豆島などの島々を結んでいます。

本土と島への旅は、旅の別々の部分として計画してください。香川の市や町を結ぶには列車が役立ち、島を訪れるにはフェリーが欠かせません。小豆島は海から見るより大きいので、島の観光ガイドでは見どころ間の移動にバス、レンタカー、自転車を勧めています。一度にひとつの島、あるいは本土のひとつの地域を選ぶことで、香川らしさを形づくる散策や食事、船旅のための余裕が生まれます。

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